キビタキ(Ficedula narcissina narcissina) Narcissus Flycatcher
延々と続く笹薮の壁を巨大なキャンバスだとすれば、その中にいる鳥は絵の具を垂らしたような奴ばかり。
カラアカハラを見た後に歩き出した私は、またすぐに歩みを止めた。
青色が笹壁のすぐ脇の地面に見えたと思ったら、それはコルリの雄だったのだ。コルリは私の存在に気が付くとすぐにこの笹壁の中に入っていってしまった。けれど私がしばらく静かにしていると、すぐ側の笹壁の中から「チッチッチッチッ.....ヒーチョチョチョ!」と大音量の囀りを聞かせてくれた。
次に私の視界に入ったのは、暖かな黄色。キビタキの雄だった。
島嶼で出会うキビタキからは、新緑の中で軽快に囀るキビタキとは何だか少し違った印象を受ける。なんというか物腰柔らかで覇気が無いのだ。角が取れた感じもこれはこれで良いのだけれど、さらに疲れた個体なんかは球根でも根ざしたかのようにじっと動かない時がある。そう、それはまるで水仙(narcissus)のように。
このキビタキは、果たして雄なのか、それとも雌なのか。
例えばカラフト産キビタキの繁殖期が日本のものに比べて遅かったりしたら、雄の第1回冬羽から同夏羽に換羽するのが遅くなって、こんな風に喉だけ黄色になったりするのだろうか。
【2011/05/02/石川 Hegura Island,Japan/May.2011】
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