ノドジロオウギビタキ(Rhipidura albicollis kinabalu) White-throarted Fantail
【2009/08/??/ボルネオ Borneo,Malaysia/Aug.2009】
ジョウビタキ(Phoenicurus auroreus auroreus) Daurian Redstart
先日、ラボのメンバーの研究報告会のため、実習所へ行く機会があった。
実習所がせっかく海の近くにあるのだから、と早起きをした私は、朝食の時間までの少しの間だけ、鳥を探してみることにした。
海辺へと続く、背の高い藪の茂る道。暗い藪の中では、がさがさと動く音とともに「ツィー」とシロハラ達の声がする。
そのうち開けた場所に出ると、辺りからジョウビタキの地鳴きが聞こえた。私も真似して「ヒッ、ヒッ」と言うと、「進入者か!?」とでも言うように声の主が飛んできた。体下面の橙色味が割りと強い。
クロサギ(Egretta sacra sacra) Pacific Reef Heron
伊豆には、沖縄とまではいかないもののクロサギが多くて、車から海岸線をボーっと見ているだけで何羽ものクロサギが見られた。
実習所前のこの静かな入り江にもやはりクロサギがいて、私の存在にいち早く気が付くと、すぐに真っ黒な岩場の方へ飛んで行ってしまった。
ふと空を見上げると、朝日を浴びてミサゴが飛んできた。入り江奥から見える狭い空に1羽、また1羽とミサゴが集まり出し、3羽が同時に見えるようにになった時。今度は山の方からノスリが2羽飛んで来て、辺りを旋回し始めた。そんなに良い上昇気流が発生しているのだろうか。
イソヒヨドリ(Monticola solitarius philippensis) Blue Rock Thrush
イソヒヨドリは、磯に居てこそなんだかしっくりくる。
クロサギはもちろんのこと、イソヒヨドリも磯にいるとなかなかどうして体色が目立たないもの。
このイソヒヨドリはしばらくの間、入り江で朝日が一番初めに当たる辺りの岩場ウトウトしていた。けれど私が近くでジッと見ていることに気付くと、ハッと我に返って日陰の方へ移動した。
セグロセキレイ(Motacilla grandis) Japanese Wagtail
あくまで個人的な感覚だけれど、伊豆半島ではセグロセキレイをかなり多く見かける。水辺で見かけるセキレイの中で一番多いのがセグロセキレイ、次にキセキレイ。ハクセキレイなどは水辺ではあまり見かけない。
2羽で海辺を歩いていたセグロセキレイは、たまに突然飛び立つと2羽でじゃれ合うように複雑な飛行をする。そうかと思ったら、また何ごとも無かったように尾をふりふり歩き出した。
セキレイは常に動き回っているイメージがあるかもしれないけれど、たまに止まってぼけっとしたりもする。
以上が、朝の1時間の散歩で出逢った鳥達。
昼間に偶然、部分白化の個体も見た。
【2011/11/16/静岡 Shizuoka,Japan/Nov.2011】
ニホンヤモリ(Gekko japonicus) Japanese gecko
ニホンヤモリは身を隠すのが割りと上手で、姿を目にする機会はそう多くなかった。
秋に、アパートの駐輪場に灯る光へ集まってきていた個体も、私が写真を撮らせてもらおうと忍び寄るとすぐにアイビーの茂みへと姿を隠してしまったのだった。
ところが、ヤモリの探し方を聞いてからというもの、これが面白いように見つかるようになった。
例えば私が研究室から構内にある購買へお茶を買いに行く時。100m足らずのこの往復の間に、ヤモリを2個体は見つけられるようになったのだ。
4人くらいで購買へ向かう時には、ヤモリのいそうなポイントの前で立ち止まってジャンケンをする。
そして、このジャンケンで負けた人は「ヤモリチェック」をする。
見事当たればニホンヤモリが居て大はしゃぎ。何も居なければ残念。そしてハズレは、集団越冬するクサギカメムシの成虫達か、ヨコヅナサシガメの5齢幼虫達。
メカ的な怪しさのあるヨコズナサシガメに至っては、全個体が半分シンクロしながら奇妙なウェーブをしているものだから、ハズレ感が満載である。
一見地味なニホンヤモリ。けれど、例えばカメラのレンズを通して見ると、これが中々どうして格好いい。虹彩はカジカガエルのそれのように巧妙な岩肌模様。ツブツブな質感の顆粒状鱗は大小様々で、形も丸いものから多角形なものまで色々ある。そして、ラブカの項でも述べたけれど、ヤモリもまた口角付近が上に「ニッ」と上がっていい顔をしている。
私が少しヤモリから目を離すと、一瞬どこにいったか分からなくなった。実はヤモリ自体は少しも動いてなかったのだけれど、この体色が高度な保護色になって私の目を数秒欺いたのだった。さすが、隠れ身の達人だ。
【2011/11/12/神奈川 Kanagawa,Japan/Nov.2011】
メジロ(Zosterops japonicus japonicus) Japanese White-eye
「和」な美しさを醸し出す。
【2011/12/08/神奈川 Kanagawa,Japan/Dec.2011】
コウライアイサ(Mergus squamatus) Scaly-sided Merganser
早朝。まだ薄暗いうちに川原に到着した私達は、身をかがめて歩いた後、水辺の大きな岩の陰に身を潜めた。この場所から見える範囲は、コウライアイサの塒と言われている場所だ。コウライアイサが塒から採餌に出かけるまでの僅かな時間を狙えば、きっと見られるはずだ。私が身を隠すことに必要以上に神経質なのは、コウライアイサがとんでもなく警戒心の強い鳥だというイメージがあったからである。でも、実のところまだ見たことが無いものだから、どの程度警戒してくるかは推し量れない。
昨シーズン、別の川に出現した雌タイプ雄若鳥を探しに行った時から数えて今回が4回目のトライになる。
日が昇り始め、辺りの様子が伺えるようになった時。中州で寝ていたアオサギ達が目を覚まし、カルガモ達もモゾモゾと動き出した。
私はすぐに見回せる限りの川面や中洲を注視してみたけれど、コウライアイサはどこにも見つからない。
その後、しばらく川原を歩いてみたけれど代わり映えがせず、そのうち無情にも雨が降り出した。橋の下で雨宿りを始めた私達は意気消沈して、やがて会話も無くなった頃、私がポツリと言った。「もう今日は帰ろう。最後に、下流だけちらっと見て。」
もう殆ど希望を無くした私達が最後に立ち寄ったのは、コウライアイサの採餌場の1つと言われている場所。川原が見える位置まで堤防を上った私は、あっけにとられてしまった。中州で休む数羽のカワアイサ雌タイプに混ざって1羽、コウライアイサの雄が確かに居たのだ。
冠羽はウミアイサの比じゃない位にツンツン逆立って長く、脇には美しくて気品のある龍鱗模様がある。
コウライアイサはしばらくするとカワアイサと共に飛び立ち、また数100m先で着水した。飛び立った時にはウミアイサみたいに翼上面の2本の黒線が目立った。
堤防の道を散歩をする人が行き交う中で、平然と休んでいたコウライアイサ。警戒心がある程度強いということは確かだったけれど、思っていた程では無かった。それは、この場所の環境のためかもしれない。川原から見える堤防上を毎日、散歩やランニングをする人が沢山通りかかることで少し馴化していったのではないだろうか。今まで私が見つけられなかった大きな原因は、その移動性にあると思う。今回私が見ていた時にも、数10分おきに休息・採餌場所を行ったり来たりしていた。さらにこの休息・採餌場所さえも変遷していくから、逢うにはある程度「運」が必要になるのかもしれない。
【2011/11/15/神奈川 Kanagawa,Japan/Nov.2011】