降りてきたベツレヘムの星

2011-09-29 22:44:31 | 蟲(Bugs)


オオトラカミキリ(Xylotrechus villioni


「いいもん見せてやるよ」
友人Y氏に言われた私は、今日は何かなとワクワクしながら付いていった。
この前は、群馬の林内に落ちていたというコノハズクの亡骸を見せてくれた。くれ、といったら断られた。剥製にするらしい。

彼が指差すモミの木にとまっていたのは、ハチの類かと思うほどに黄色くて虎縞の入った、立派なオオトラカミキリの雌だった。
本種は普段、モミなどの樹幹部を生息圏にしていて、産卵期の晩夏にだけ産卵のため幹を降りてくる。
彼は、このカミキリの珍しさを興奮気味に語った。
なんでも、食樹や産卵時期が分かったところで、そう簡単に見つかるような代物では無いらしい。例えばモミの林にこのオオトラカミキリを狙って30回探しに行ったところで、1回見つかるかどうか、というほどの遭遇率の低さだそうだ。
私なら、5回行って目的の鳥が見つからなければ諦めてしまうかもしれない。オオトラ繋がりのオオトラツグミなんかよりオオトラカミキリの方がよっぽど見るのが難しそうだ。

それにしてもこのオオトラカミキリ、胸部がセレブな襟巻きをしているような分厚さをしている。なんというか、エリマキシギの雄成鳥夏羽が飾り羽を膨らませているようなボリュームだ。







【2011/09/27/神奈川 Kanagawa,Japan/Sep.2011】


幸せな朝

2011-09-13 20:21:10 | 鳥(Birds)


ハイイロオウチュウ(Dicrurus leucophaeus stigmatops) Ashy Drongo


2年前の夏のことです。
私と友人M氏は2008年に生まれて初めて訪れた海外の地“マレーシア”のすっかり虜になってしまい、またボルネオ島を訪れました。
赤道直下の島、ボルネオと言えど、標高を上げれば気候は常春。汗はかかない、蚊もヒルもほとんど居ない、という嘘みたいに過ごしやすい標高1500mの熱帯雨林は生物の宝庫でした。
マギーチリをふんだんに使って食べた朝食の後、昨晩 Saffron-bellied Frog(Chaperina fusca) という黄色い腹の斑が綺麗なカエルを見たあたりを散歩していると、見晴らしの良い枝からフライングキャッチをする鳥の姿が目に映ったのです。ハイイロオウチュウ。このボルネオ固有亜種のハイチュウは、2008年春に八重山で見たものよりずっと警戒心が低くて、特にこちらを気にする様子もありませんでした。朝日で温まった石に腰掛けた私達はこの鳥がするフライングキャッチの様子をしばらく眺めていました。

この旅の記録は、また改めてまとめるつもりです。



2009/08/10/マレーシア Borneo,Malaysia/Aug.2009


透明な世界

2011-09-03 20:32:09 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


ニホンアマガエル(Hyla japonica) Japanese tree frog


妖しい魅力のある「透明骨格標本」。
まるで、どこかの物語に出てくるタイムトラベルに失敗してしまった被験者のような姿だ。
この標本は硬骨を赤紫色、軟骨を青色に染色してある。












【2011/08/24/神奈川 Kanagawa,Japan/Aug.2011】


はらあげむし

2011-09-02 22:45:32 | 蟲(Bugs)


ハラビロカマキリ(Hierodula patellifera



ハラビロカマキリといえば、このように腹部をくりっと反らした姿が可愛らしい。

関係のない話だれど、友人が姉の結婚式で近々ハワイに行くらしい。
「シロアジサシとかアカオネッタイチョウとか余裕で見て来てやんよ!」
そんな友人からのメールの文面を見ていると、私の脳内で妄想旅行が始まるのだった。早朝、ホテルの庭に出てみると、あんなハワイミツスイやそんなコウカンチョウが動き回って・・・
それにしても、羨ましい限りである。
ハワイは鳥も魅力的だけれど、もし行く機会があったら是非見たいのが外来種のヒロオヒルヤモリ。このヤモリの美しさは反則的だと思う。







【2011/08/24/神奈川 Kanagawa,Japan/Aug.2011】