ブルー・フィールド

2010-09-30 23:21:20 | 鳥(Birds)

セイケイ(Porphyrio porphyrio) Purple Swamphen


この日は、ロッジで仲良くなった日本人バックパッカーのお兄さんを引き連れての鳥見。
けれど朝からの猛暑に鳥は少なく、早めに切り上げた。
唯一の収穫だったのはこのセイケイ。
オーストラリアで見た P. p. melanotus に比べてこの P. p. poliocephalus は英名の“Purple”というよりはむしろ青味が強く、頭部は灰色がかった水色をしている。

昼からは午前中の晴天が嘘のような大粒の雨が降り出し、なかなか降り止まなかった。私達は空を見上げて雲の動きを見ると、ラヤ山の方角がもう少しで雨雲から開放されそうだ、などと適当な予報をしてラヤ山に向った。



オオサイチョウ(Buceros bicornis) Great Hornbill


降り止まない雨の中、なんとすぐ近くの木でオオサイチョウがジッと動かずに耐え、雨が止むのを待っていた。浮かれトンチキになった私達は、静かにはしゃいで雨に濡れながらの観察を続ける。
雨もだいぶ和らいできた時、不意に雄のとまっている木にアイリングが赤く虹彩の白い雌がやってきた!とんでもない近さで信じられない光景。

しばらく寄り添った後、2羽は優しく口付けを交わすと雨の上がった熱帯雨林の谷へと飛んでいった。羽ばたく時、雨覆が風切の基部まで覆っていないために空気が漏れて発される「バサッ、バサッ」という音は、この巨体も合わせてまさに翼竜のイメージにぴったりである。





2010/08/06/マレーシア Langkawi,Malaysia

五位霧中

2010-09-28 22:58:36 | 鳥(Birds)

ゴイサギ(Nycticorax nycticorax) Black-crowned Night Heron



先日、台湾から帰ってきました。
天候が、台風の影響を受けなかったことが何よりの幸運だったのかもしれません。

しばらくは、8月のマレーシア遠征の内容をお送りします。




フィールドノートにも写真にも、生き物との素敵な出遭いが詰まっているけれど、一番大事な思い出は自分の胸の中にある。


【2010/09/26/台湾,台北 Taipei,Taiwan】

賞鳥 Crazy Go

2010-09-20 06:09:00 | 鳥(Birds)


カワビタキ(Rhyacornis fuliginosa) Plumbeous Water-Redstart



これから少し、台湾に行ってきます。


地図で台湾を見ると与那国島がすごく近くて、とても外国には思えない距離にある。行くにあたり、現在猛威を振るっている台風だけが心配。天気予報が嘘をつかない事を信じて。

今回の装備

「台湾鳥類全図鑑」が掲載種的には一番多いけれど、内容に間違いが多い。最近話題のフィリピンペリカンは台湾でも記録があるみたい。

何冊もの図鑑や本を貸してくださったarumさん、ありがとうございます。



写真のカワビタキは、今年の3月にオーストラリアから帰った次の日より3日間台湾に行くという愚行をした時のもの。ちなみに、カワビタキは日本でも記録がある鳥。


【2010/03/17/台湾,烏来 Urai,Taiwan】


珊瑚礁色が溶けた羽

2010-09-18 13:26:49 | 鳥(Birds)


ナンヨウショウビン(Halcyon chloris) Collared Kingfisher


チャバネコウハシショウビンが去り、静けさを取り戻した河口。
突然、「ケェッキョッ、ケェキョッ.......」とけたたましい声が静寂を切り裂いたかと思うと、目の覚めるような美しい青を纏ったナンヨウショウビンが飛んできた。
ほんの川を挟んで対岸にとまったナンヨウショウビンは、西日に青く煌くその姿を惜しげもなく見せてくれた。
そのうち、とまった小枝から川に飛び込んで魚を捕らえ、また水浴び、伸び、と私達の目の前で警戒もせずにやりたい放題。
ナンヨウショウビンが何かをする度に私達は、ハッと息を飲んだり、恍惚の溜息を漏らしたり、またクスクスと笑い出して顔を見合わせたりした。もしその光景を誰かに見られていたら絶対にに変な人達だと思われたに違いない。











珊瑚礁の上空をもし飛んだなら、光学迷彩並みのカモフラージュになりそうな羽衣。
イキモノが創り出す「色」というものは、なにもなにも皆美しくて、どんな人工色にも現せない輝きがある。こう、心にスッと何の違和感もなく「綺麗」の2文字が入ってくる感じ、というか。


2010/08/05/マレーシア Langkawi,Malaysia