セイケイ(Porphyrio porphyrio) Purple Swamphen
この日は、ロッジで仲良くなった日本人バックパッカーのお兄さんを引き連れての鳥見。
けれど朝からの猛暑に鳥は少なく、早めに切り上げた。
唯一の収穫だったのはこのセイケイ。
オーストラリアで見た P. p. melanotus に比べてこの P. p. poliocephalus は英名の“Purple”というよりはむしろ青味が強く、頭部は灰色がかった水色をしている。
昼からは午前中の晴天が嘘のような大粒の雨が降り出し、なかなか降り止まなかった。私達は空を見上げて雲の動きを見ると、ラヤ山の方角がもう少しで雨雲から開放されそうだ、などと適当な予報をしてラヤ山に向った。
オオサイチョウ(Buceros bicornis) Great Hornbill
降り止まない雨の中、なんとすぐ近くの木でオオサイチョウがジッと動かずに耐え、雨が止むのを待っていた。浮かれトンチキになった私達は、静かにはしゃいで雨に濡れながらの観察を続ける。
雨もだいぶ和らいできた時、不意に雄のとまっている木にアイリングが赤く虹彩の白い雌がやってきた!とんでもない近さで信じられない光景。
しばらく寄り添った後、2羽は優しく口付けを交わすと雨の上がった熱帯雨林の谷へと飛んでいった。羽ばたく時、雨覆が風切の基部まで覆っていないために空気が漏れて発される「バサッ、バサッ」という音は、この巨体も合わせてまさに翼竜のイメージにぴったりである。
【2010/08/06/マレーシア Langkawi,Malaysia】