琉球駒鳥の踊り場

2012-07-27 22:15:22 | 鳥(Birds)


ホントウアカヒゲ(Erithacus komadori namiyei) Ryukyu robin


ヌマガエルを見た後にまた森に入り林道を歩いたけれど、すぐに夜が明けてしまった。
今日もまた、暗くてまだ辺りがよく見えない林道。
昨日と同じように寝ぼけ眼でふらふらと歩いていると、何か黒っぽい鳥が羽音を立てて私の数メートル前の茂みのあたりまで飛んできた。けれど、まだ姿がよく見えない。
そこでまた私が歩き始めると、今度も羽音を立てて、まるでハンミョウみたいに私の前方でとまった。
やっと全身が見えたそれは、ホントウアカヒゲの雄だった。
この暗がりでは背面の鮮やかな橙色さえも黒っぽく見えて全く目立たない。私がしばらく立ち止まっていると、ホントウアカヒゲは地面をホッピングしては餌を掘り出し食べ始めた。

またしばらく歩き、森の中に光が十分に入るほどだいぶ明るくなった頃。
林道が沢沿いにさしかかったところで、今度はホントウアカヒゲの雌が出てきた。
こちらはすぐに居なくなってしまったのだけれど、私が座り込んで静かにしていると、また同じ個体が近くにやってきた。
おそらくこれは昔の月刊バーダーに書いてあった “ホントウアカヒゲのマンウォチング” だろう。
けれど、この雌はよく見ると餌を運んでいる途中のようで、間もなく彼女の夫と思われる雄もやってきた。
どうやら7-8メートル先、沢がカーブして見えなくなった辺りで営巣しているみたいだ。何度も私を見に来るのは単なるマンウォッチングではなく、警戒の意も含んでいるようだった。
その様子を見て、私はその場から離れることにした。








ホントウアカヒゲの棲む森




喜如嘉のオクラレルカ



【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/14th April, 2012】


足の踏み場も無い畦

2012-07-26 21:45:02 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


ヌマガエル(Fejervarya limnocharis) Indian Rice Frog


ナミエガエルを見た後、山を下りて平地へ戻ってきた。ここは、夕方にミフウズラやリュウキュウヒクイナを見た農耕地。
時計の針は深夜の3:30を指している。
水の入った田からはもの凄い喧騒が聞こえてきて、それはやはり全てこのヌマガエル達の声だった。
畦には、20cm-50cmくらいの間隔でビッシリとヌマガエルが並んでいて、そのうち雄は写真のように2つの球状の鳴嚢を膨らませて懸命に鳴いていた。







【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/13th April, 2012】


舞い散る栴檀の中で

2012-07-22 15:15:09 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


ナミエガエル(Limnonectes namiyei) Namiye's frog


クロイワに遭遇した後。またしばらく歩くと、辺りにフワリと優しい花の香りが立ち込めた。見上げると、淡い紫色をしたセンダンの花がまさに満開だったのだ。地面にも散らばる花の様をライトで照らしてゆくと、突如巨大なカエルの影が浮かび上がった。
ナミエガエルだ。
前回の沖縄では豪雨の中見つけたナミエを何とか撮ろうと近付いたら一瞬で跳んで消えてしまった。しかもついでに体はずぶぬれ、という苦い思い出だった。
このクラスのカエルともなると、俊敏性こそないものの跳躍のパワーは凄まじく、一度跳ばれたら指をくわえて見送るしかなくなってしまう。だからまずこいつの存在に “こちらが初めに気付く” 必要がある。さらに跳ばれぬよう、細心の注意を払って接近し撮影の体勢をとらなければならない。
このナミエガエルの迫力ときたら本当に大したもので、その顔つきはイクチオステガを彷彿とさせるほど。






ナミエガエルと言えば図鑑に載っている写真、瞳孔が小さくなったいわゆる「可愛げのない」イメージがあったけれど、そんなことはなかった。ライトを当てればすぐに可愛くない顔になってしまうけれど、暗がりの中では案外可愛らしい顔をしているものだ。
「実は図鑑で見るよりずっと可愛い」というのはクールガエル属全体に言えることで、これは可愛くないと誤解している人がいたら是非実際に見てみて欲しい。私がボルネオで見たL. kuhliiも、台湾で見たクールガエルも、皆一様に「憎めない」容貌だったのは間違いない。




ヒメアマガエル(Microhyla okinavensis) Ornate narrow-mouthed toad






リュウキュウカジカガエル(Buergeria japonica) Ryukyu Kajika frog




【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/13th April, 2012】


やんばる夜道

2012-07-15 23:58:35 | 両爬(Amphibia&Reptiles)


クロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae) Kuroiwa's ground gecko


数年前まで、1人で夜の森を歩くのはハブの居ない宮古島の森が精一杯だった私だけれど、今では夜のやんばるの森でさえ1人で歩くようになってしまった。
夜のやんばるの森は、昼の暑さとはうって変わってヒンヤリと涼しく、本当に歩きやすい。
長靴の歩みをふと止めて耳を澄ませば、沢の流れる音に混じってハナサキガエルの跳躍するカサッツ、カサッツという音がする。
気配を感じて数メートル先を照らしていたライトを足元に向けると、クロイワトカゲが私の目の前を素早く横断するところだった。







【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/13th April, 2012】


焔の小水鶏

2012-07-14 23:37:21 | 鳥(Birds)


リュウキュウヒクイナ(Porzana fusca phaeopyga) Ryukyu ruddy crake


夕暮れの水田。
いつも居るシマキンパラの代わりにキンパラがいた水田の周りには、タイワンシロガシラ、セッカ、バンなどいつもの面々も見られた。
私に驚いて弾丸のように駆けて行くミフウズラに対し、リュウキュウヒクイナは意外と神経が図太く、茂みに一度入ってもすぐに出てくる。
こうして畦の土手を見ながら水田の端を歩き、土手にミミズの一端を見つけては駆け寄り引っこ抜いていた。










辺戸岬





そういえば、夕食にと入った店で、注文したコレ、「オジサンのハーブ焼き」。
私が注文しようとすると、魚のオジサンを知らなかった母は「どんな料理だ?」と困惑していたので面白かった。
オジサンの名の由来は顔がオジサンっぽいからという。
オジサンは初めて食べのだけれど、かなり美味しかった。



【Okinawa Is.(沖縄本島) Japan/13th April, 2012】