ヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii scintillans) Copper Pheasant
初夏の森。この季節に森へ入るだけで、木陰に立ち込めた森の香りをめいいっぱい吸い込むことが出来て最高に気分が良くなる。森に沢があれば、沢筋の方から心地よい涼風が吹いてきてなおよい。
林道を歩いて、足元を直線的に飛ぶヤマトシリアゲの雌やフワフワ木漏れ日に舞うアサギマダラ、もうすっかり見慣れてしまったアカボシゴマダラを横目に小高い丘に上って行く。丘の頂点まで来ると、曲がり角でばったりヤマドリに出くわした。
ヤマドリは私を縄張りに侵入してきた不届き者だと思ったらしく、目が合うなりこちらに突進を仕掛けてきた。そこで私は、すかさずしゃがんで最小限の面積に縮こまって、「無害ですアピール」をした。するとヤマドリは駆け馬のような猛進を私のわずか手前で弱め、ジリジリと睨みを利かせながら私の周りをゆっくりぐるりと一回りしたのだった。
この時に至近距離でヤマドリの羽衣を見ることになっったのだけれど、これが言葉では中々言い表すのは難しいほどに美しいものだった。
日陰の中で初めくすんだ銅色に見えた羽色は、光を浴びた途端、神々しく輝き出していた。
ムツの、絶妙にシブく鈍い金属光沢のある体色は「金紫褐色」と表す。すると、さしずめこのヤマドリのえも言われぬ羽衣の色は「金赤銅色」といったところか(※図鑑表記は淡橙褐色)。
帰りがけ、素敵な落し物が。
【Tokyo(東京) Japan/02th June, 2012】
ヤマトタマムシ(Chrysochroa fulgidissima) Japanese Jewel beetle
突然だが、私はとにかく蚊に刺されやすい。
このタマムシを撮っている時も10箇所以上刺されたし、最近近所のスーパーで買い物をした時も、屋内だからと油断していたら、店の中に入っていた蚊に3箇所も刺されてしまった。
こんなに蚊に刺されるのは、逃れられないO型の宿命なのだろうか...。
どこかで見た、あの全身を蚊帳で覆うような防護服が欲しいくらいだ。
【Tokyo(東京) Japan/12th August, 2012】
ヤマトタマムシ(Chrysochroa fulgidissima) Japanese Jewel Beetle
昨シーズンの冬のバンクーバーがシロフクロウの当たり年なら、今シーズンの夏の日本はヤマトタマムシの当たり年。
どこへ行っても、右を見ても、左を見ても、タマムシ、タマムシ。
暑い日に、放置してあるケヤキやエノキの材を見れば、複数の雌が産卵に来ている。
材が見当たらなくても、その辺を適当に飛翔している個体が容易に見つかる。
本当に今年はタマムシの夏だ。
【Tokyo(東京) Japan/12th August, 2012】
ハシブトアジサシ(Gelochelidon nilotica nilotica) Gull-billed Tern
梅雨真っ只中の6月10日のこと。
今年の梅雨は雨が延々と降っているような日は少なかったような気がする。この日も、朝からカラッと晴れて、少し暑いかな、というぐらいの日和。
そんな日に、久しぶりに酒匂川に訪れた。
そういえば5年前ぐらいだっただろうか。酒匂川河口付近には1羽、越夏するカンムリカイツブリがいたことが印象深い。
河口に着くと、目的のハシブトアジサシはすぐに見つかった。
嘴は言うまでもなく太く、アジサシのような華奢さがなくて静止時にはバランスの良い体形に見えた。
背面の色は写真のような感じ。アゴを引くと、後頭がオオアジサシよりも控えめなベリーショート冠羽状ボサボサになっているのがわかる(右個体)。
また、羽ばたいた時には初列先端の黒がしっかり見えた。
ちょっとゴツイ見た目とは裏腹に、飛び方はふわふわと優しくズグロカモメ的で、短いヘコミ尾が可愛く印象的。
この鳥もまた、思い入れのある鳥だった。
2010年に行ったケアンズのエスプラネードで見られるはずだったけれど、カタアカチドリ、アカエリシロチドリ、ハシブトオオイシチドリ、オーストラリアミヤコドリとともに見られなかった鳥のひとつだったのだ。
【Kanagawa(神奈川) Japan/10th June, 2012】
金環日食の朝。空も凄かったけれど、皆が外に出て空を見上げる様も凄かった。
【Tokyo(東京) Japan/AM7:38 21th May, 2012】