チャバネコウハシショウビン(Pelargopsis amauroptera) Brown-winged Kingfisher
容赦なく照りつけていた太陽が雲に隠れて光が和らいだ時、背の高い木で休んでいたチャバネコウハシショウビンがふいに低い位置まで来た。チャバコウはとまるとすぐに視線を川に落とし、とぼけた表情から獲物を狙う鋭い眼差しに変わった。
深い森に隣接した河口には色んな鳥が現われる。
パーっと数羽で飛んできて、樹冠にとまったのはコアオバトだった。キタカササギサイチョウも群れで採餌していて、クセのあるトビみたいな声で鳴き交わす。
地味な声で鳴きながら直線的に飛び、川の上空を横切って森に入った鳥は、背面がとんでもないメタリックブルーをしていた。これはルリコノハドリの成鳥に違いない。
アオショウビン(Halcyon smyrnensis) White-throated Kingfisher
アオショウビンも川ではちゃんと魚を狩る。何度か水面に突き刺さった後、魚を捕らえてしばらく誇らしげに咥えていた。
【2010/08/01/マレーシア Langkawi,Malaysia】
タンジュン・ルー岬の西側海岸
気が付くと、私達は茜色に染まった砂浜へと走り出していた。
こんな素敵な海岸にもかかわらず、私達以外には数人が夕日を見ているのみであった。
海岸林はイエガラスのねぐらになっているらしく、梢にたくさんとまっている。
「フィオィ!」という声に見上げると、キュウカンチョウが。
ライトを片手に少し歩いてみると、ヤシの実に騒がしく集まるジャワオオコウモリ達がいた。森の奥からは、インドオオコノハズクらしき声がする。
エビのsoyaソース炒め
店を閉めようとしていたレストランに慌てて駆け込み、エビの炒め物とナシゴレンにアイスミロを頼んだ。多くのレストランで魚介料理は100g単位でいくらという注文のしかたをするため、値段を気にしてなかなか頼めなかったけれど、ここのレストランは始めからRM 6 と定額だった。
この料理の、後からジワジワと来る辛味の味付けはとても美味。
【2010/07/31/マレーシア Langkawi,Malaysia】
カタグロトビ(Elanus caeruleus) Black-shouldered Kite
私的に好きな猛禽類ベスト3にランクインしているこのカタグロトビは、あまりにも格好良すぎる鳥である。カエルレウスと言うとラビドクロミスの方が思い浮かぶかもしれないけれど、そちらの方は私的に好きなシクリッド。
タンジュン・ルー岬の先端には、船着場があった。この近辺では常にシロガシラトビが何羽か飛んでいる。桟橋に乗ってみると、何とテッポウウオが足元を泳いでいた。
ブッポウソウ(Eurystomus orientalis) Dollarbird
エリゲヒヨドリのエリゲのようなものか、はたまたテレメトリー用発信機のアンテナか、と思ったらただの枝だったり。
ゴムノキのプランテーション
往々にして茂った密林よりもこのような明るい林の方が鳥が見やすいものだ、と予想して少し歩いてみるも、鳥の気配がない。来る時間帯を間違えたのだろうか。
シロマブタザル(Presbytis obscurus) Dusky Lutong
シロマブタザルはいつも群れで行動していて、人が近づくとゆっくり逃げ出す。この群れは特にゆっくりで、しばらくこちらの様子をうかがってからやっと動き出した。
【2010/07/31/マレーシア Langkawi,Malaysia】
ミドリカラスモドキ(Aplonis panayensis) Asian Glossy Starling
オオサイチョウとの出遭いの余韻に浸りながら山を下り、腹ごしらえをしようと街に出た。
ショッピングモールに着くころには、辺りはもうだいぶ薄暗くなっていた。ふと空を見上げると、さっきのスコールによってできたのだろう、虹がかかっているではないか。
ミドリカラスモドキたちは、日本のムクドリのようにねぐらに寄り集まって騒がしく鳴き交わす。
ショッピングモールに入ると、5階建ての店内の殆どの店が閉まっている・・・。シャッターモールだ何だとブツブツ言いながら他の店を探しに出た。
ミドリカラスモドキの成鳥は緑色の光沢を帯びた黒い羽衣に鮮やかな赤い目、という悪魔の使いのような姿をしている。
メグロヒヨドリ(Pycnonotus goiavier) Yellow-vented Bulbul
オオセッカの囀りみたいな声で激しく鳴くメグロヒヨドリ。
【2010/07/30/マレーシア Langkawi,Malaysia】
オオサイチョウ(Buceros bicornis) Great Hornbill
激しいスコールの後、夕暮れ時のラヤ山。
スコールの間は何も活動が出来ないため山の中腹に車を停めて居眠りをしていた私達は、雨が上がった途端に鳥の気配が格段に多くなっていることに気が付き、下山しながら鳥を探し始めた。
カンムリワシが谷の上空を飛んだかと思うと、ルリコノハドリの幼鳥が鳴きながらヤブに入っていった。日本で見慣れたキセキレイは東南アジアではこのような標高の高い場所でよく見かける。よく動くクロエリヒタキは木々の間から少しだけ顔をのぞかせてくれた。
かなり標高を下げたあたりで見晴らしの良い大木にとまっていたそれは、とんでもないシルエットをしていた。
動揺を抑えきれない心を一生懸命落ち着かせながら、震える手で双眼鏡を覗くと......
憧れのオオサイチョウがそこにいた!
このオオサイチョウのオスは大木の樹冠辺りにとまっていたのだけれど、丁度その部分が私達の目線ほどにあったためオオサイチョウと目が合ってしまう。
しばらく観察を続けると、「オ゛ォ゛ッ!オ゛ォ゛ッ!」と野太く、それでいて通る声で鳴き始めた。鳴く際には頭を大きく上へ反らし、その湾曲した巨大な嘴を開くものだからものすごい迫力である。
【2010/07/30/マレーシア Langkawi,Malaysia】