ハリオガモに囲まれて

2012-01-29 20:17:43 | 鳥(Birds)


オナガガモ(Anas acuta acuta) Northern Pintail



タンチョウを見た後、友人の希望で、オナガガモ達が集まる前沼へとやってきた私達。
たい焼きを食べながらカモを見ていると、オナガガモの雄がエサ欲しそうに視線を向けてきた。
そういうときは、小さな子どもと会話する時のように、彼らの視線の高さまで腰を落としてやる。

池にはオナガガモの他にも数種のカモが集まっていて、観光客のまく米はぜを待っていた。
一方、それに興味の無いハシビロガモ達は、集団で輪を描きながら水面のプランクトンを採食していた。

観光客がエサをまくと、水から上がって陸域に進出してくるオナガガモ達。けれど、人の流れで群れから分断されてしまうと急にキョロキョロ焦り始め、しまいには飛んで池まで戻った。




※この写真にはぼかし加工を施しています。


関係のない話。
最近、見てみたいと思う生き物は、「エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシ」ですね。
例えば「ジョルダンヒレナガチョウチンアンコウ」の18文字なんか及ばない、24文字という覚えにくさがグッと来るわけです。
胡散臭い生き物の名前といえば、ずっと前に身内で少し流行った「トゲアリトゲナシトゲトゲ」というややこしい名前の虫のことを思い出しました。これは本当の意味で胡散臭いのですがね。
気になる方は調べてみてはいかがでしょう?(笑)



【2012/01/03/宮城 Miyagi,Japan/Jan.2012】


紅い冠を戴く鶴

2012-01-22 21:57:11 | 鳥(Birds)


タンチョウ(Grus japonensis) Red-crowned Crane


日が昇っても、あまり温かくならない午前中。
私と友人は、止むことを知らぬ寒風に吹かれながら沼を囲む堤防を歩いていた。
オオヒシクイや、多数派のオオハクチョウに混ざっていた数羽のコハクチョウを望遠鏡で見ていると、思わぬ鳥が視界に飛び込んできた。

正月からなんと縁起の良い鳥を見たものだ。望遠鏡で捉えたそれは、なんとタンチョウだった。
タンチョウは、タゲリやオオヒシクイ、ホンドタヌキの通りかかる水辺で優雅に採餌をしていた。
冬なのに、雪の全く無い景色に居るタンチョウというのもまた良いもの。
しばらくすると、ゆっくり優雅に歩いて、一際奥まった沼地の方へと移動していった。
このタンチョウ、もしかすると北海道に分布するものとは別で、中国東部や朝鮮半島で越冬する個体群のものかもしれない。



【2012/01/03/宮城 Miyagi,Japan/Jan.2012】


ノスリ付きの屋外アート

2012-01-20 20:58:10 | 鳥(Birds)


ノスリ(Buteo buteo japonicus) Common Buzzard


背景に写り込む、「牧場で見かける巨大なロールケーキのような物体」の存在感ときたら・・・!
あまりの大きさゆえに、土手の上の道路を走る車をまるごと隠してしまっている。
殺風景な冬の農耕地に転がる巨大な干草ロールは、もはやアートともいえよう。

伊豆沼から蕪栗沼にやってきた私達は、突如として現われたこの干草ロールが転がる風景に唖然とした。
私達は、このロールが何個も並んでいる場所を利用して、その後ろにうまく隠れながらマガンの群れをチェックしていった。これは意外といいハイドになるものだ。






干草ロールにとまるノスリ。
まさにこの近辺の牧草地では大型のトラクターでこのロールづくりが行われていて、遠くでたまに「ゴロン」とトラクターから干草ロールが生み出されていた。
そんな干草ロールは、ノスリにとって格好の見晴らし(休息)台になるみたいだ。



【2012/01/03/宮城 Miyagi,Japan/Jan.2012】


光と闇の境界線をゆく

2012-01-16 06:01:11 | 鳥(Birds)


マガン(Anser albifrons frontalis) Greater White-fronted Goose



年の初めの2012年1月3日。
年末年始の帰省の際には毎回行くことにしている伊豆沼へ、今シーズンもまた友人とともに訪れた。

例のごとく、凍える体に鞭を打って夜明け前から沼の縁にたたずむ私と友人。
容赦なく吹き付ける寒風に、カイロを忘れてきたことを私が嘆き始めた頃、時計の針が夜明け時刻を指した。
するとその瞬間、起動タイマーでも付いていたかのように無数のマガンたちが一斉に飛び立ち、昇り始めた朝日によって橙色に染め上げられた空へと拡散したのだ。
東の空は朝色のオレンジをしているけれど、西の空はまだ夜色である深青を呈している。
空を埋め尽くす無数のマガンの群れは、まるで別世界みたいに塗り分けられたこの2つの空をあっと言う間に貫いて、羽音・声とともに北西の暗い丘の向こうへ飛び去った。
伊豆沼で見る雁の飛び立ちは、何度見ても腰を抜かしそうになるくらいにすごい迫力だ。


















オナガガモ(Anas acuta acuta) Northern Pintail


朝日に照らされ、眩しそうな顔をするオナガガモ。
飛び立ちを見た場所からちょうど沼の対面にあたる岸から見ると、沼に張った氷の上でヒシクイが寝ていた。
今シーズンの東北(太平洋側)は、例年に比べて雪は少ないけれど、寒さは例年以上だ。ここ伊豆沼の湖面も、いつも以上に氷に覆われていた。



【2012/01/03/宮城 Miyagi,Japan/Jan.2012】


謹賀新年

2012-01-01 12:01:01 | その他(Other)


今年も不定期更新になりますが、本サイトをよろしくお願いします!
写真は、辰年にちなんで、ボイドモリ“ドラゴン”です。この突起の多いトカゲには、オーストラリア北東部の沿岸性熱帯雨林の中で遭遇しました。東洋のリュウというよりは、西洋のリュウを思わせる顔つきですね。

今年も、まだ見ぬ生き物たちとの出逢いを祈って―。