花追い放浪記

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キバナノヒメユリに関する記事の訂正とお詫び

2020-08-14 | その他

環境省レッドデータの2020年度版が、今年の3月に公表された

最近、その内容を閲覧していると、CRカテゴリーにキバナスゲユリという和名が目に入った

なんか聞いたことがあるような、無いような

 

そういえば、以前お会いした事のある方のブログに、キバナノヒメユリ=キバナスゲユリと書いてあったような

 

検索してみると、キバナスゲユリはキバナノヒメユリの別名という記述がみられるが、YListで検索しても、キバナスゲユリという種名は存在しない

ただ、キバナノヒメユリの別名に"キスゲユリ"と記されている

 

キスゲユリ=キバナスゲユリ なのだろうか?

 

また、環境省の植物目録にもキバナスゲユリなるものは存在せず、Lilium concolor var. flaviflorum は、"62510 キバナノヒメユリ" と記されている 

環境省の植物目録は、自然環境調査室での素案作成、植物分類専門家の再々の確認、加筆修正等々の作業を経て、着手後およそ3ヶ年を要して昭和62年に完成したものである

その目的の一つに、専門研究者間での統一見解としての植物目録を作成する事が挙げられている

その植物目録に、キバナノヒメユリという和名が定義されているにも関わらず、レッドリストにキバナスゲユリなる和名を使用するのはどういう事だ!!

 

私は、絶滅危惧種の確認を行う際、レッドデータ検索システムを使用しているが、以前キバナノヒメユリはCRカテゴリーとして検索できていたが、ある時からヒットしなくなった

この事で、私はキバナノヒメユリはレッドデータのカテゴリーから外れて、ノヒメユリに含められたのだと勘違いした

ところが、改めてキバナノヒメユリで検索すると、再びヒットするようになった

ただし、和名はキバナスゲユリ 別名キバナノヒメユリ としてだ

 

もっといろんな情報にアンテナを張っていれば、キバナスゲユリというものに気づいたのかもしれないが、どうして環境省が、標準的な和名として定義されている、キバナノヒメユリではなく、キバナスゲユリなる名をレッドリストで使用しているのか納得できない!

植物分類専門家が監修した、環境省植物目録にも、和名をキバナノヒメユリと定義しているにも関わらずだ!!

 

YLIst 及び 環境省植物目録に記載されていないキバナスゲユリという名は、専門家の間でも一般的ではないと思われるので、環境省レッドデータを修正してもらいたい

私のように、混乱してしまう人もいるのだから

キバナノヒメユリという名は、黄花姫百合 黄色い花のヒメユリと勘違いされる恐れもある為、あえてキバナスゲユリと呼ぶ人もいるようで、それを環境省が採用したのかもね

 

 

ちなみに、もう一つキバナノヒメユリに関する疑問がある

長崎県のレッドリストには、キバナスゲユリはもちろん、キバナノヒメユリという名も見当たらない

母種のノヒメユリはNTとなっているが、それより明らかに希少なキバナノヒメユリがレッドリストに見当たらないのはどういう事なのか?

 

よくよく考えてみたが、環境省のレッドリストの選定に当たって、亜種、変種まで対象としているのに対して、長崎県のレッドリストでは亜種までが対象となっているのでは?

キバナノヒメユリは、ノヒメユリの変種という扱いであるので、長崎県のレッドリストの対象外?

 

ちなみに私は、キバナノヒメユリはノヒメユリの色素欠損と思っているので、なぜ色違いの花をつけるだけなのに、品種ではなく、変種という扱いなのかと思っていた

しかし、色以外の形態差はないかもしれないが、性質の差や分布地域の特異性から、単なる品種ではなく、変種という扱いになっているのかもしれない

 

キバナノヒメユリに関しては、知らない事だらけで、もっと深く調べてみたいが、ネットには情報は少なく限界がある

専門家の話など聞ければよいのですがね(^^)

 

色々とごたくを並べましたが、結局、環境省的には、キバナノヒメユリは変わらず絶滅危惧ⅠA類として分類されているという事でした

私の勘違いで、キバナノヒメユリはノヒメユリに含められ、絶滅危惧ⅠB類となったなどど記した事に関してはお詫びして訂正いたしますm(_ _)m