
11月に見つけた野草の花
ムラサキセンブリ(紫千振)
Swertia pseudochinensis H.Hara
リンドウ科 センブリ属
花 期 : 10~11月
生育地 : 日当たりの良い草地、林縁、路傍
分 布 : 本州(関東以西)、四国、九州
RL指定 : 環境省準絶滅危惧種
撮 影 : 11月 山口県
最近のムラサキセンブリに関する研究から、私にもちなみのある知見が得られたので図鑑を更新します
センブリやムラサキセンブリが含有するスウェルチアマリンについては、私も以前から知っており、苦みのある健胃成分として有名なのですが、そのスェルチアマリンが胆汁うっ滞への効能を持つ事が判明しました
私は、以前総胆管結石に伴う胆汁うっ滞から肝臓を傷め、脇腹の激しい痛みと黄疸、肝機能の著しい低下を引き起こしてしまいました
入院中は、絶食で24時間点滴というありさまでしたが、いよいよ手術という日に痛みが和らぎ、MRIで調べたところ、結石は自然排出されたようでした
そのような経験があり、胆汁うっ滞というワードには、反応してしまうのであります
ムラサキセンブリ
リンドウ科ムラサキセンブリは、日当たりの良い草地等に生育する一年草、または越年草
自生適地である草地の開発や遷移により個体数が減少し、絶滅の危機が増大している
ムラサキセンブリの自生する草原は、人により管理された場所であるが、その管理手法の変化はムラサキセンブリの生育に大きく影響を及ぼす
【草原の環境維持に多く用いられる野焼きや刈取りから、放牧へ管理手段を変更した事によりムラサキセンブリ個体群の著しい衰退を招いた事例が報告されている
植生の変化として、不食木本類の定着拡大が進み、木本種の被度が増大するとともに、シダ類やツル性植物の割合も増加していた
これらの影響で、下層の光条件が悪化し、丈の低いムラサキセンブリの生存に不利な環境へ変化した】(Takahashi et al. 2009)
【ムラサキセンブリは、伝統的な漢方薬として用いられているが、新たに10種のセコイリドイドが分離され、それらの抗炎症作用が認められた】(Liu et al. 2023)
【以前から知られていたセンブリ、ムラサキセンブリの健胃苦み成分であるスウェルチアマリンに、胆汁酸排泄経路の活性作用が認められ、胆汁うっ滞の改善が期待できる】(Shi et al. 2022)
初版 2013年10月14日
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