to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

忘れえぬ想い/忘不了

2010-01-06 00:00:39 | the cinema (ラ・ワ行)
原題 LOST IN TIME了/忘不了
製作年度 2003年
製作国・地域 香港
上映時間 108分
監督 イー・トンシン
音楽 ピーター・カム
出演 セシリア・チャン/ラウ・チンワン/原島大地/ルイス・クー
シウワイ(セシリア・チャン)の婚約者マン(ルイス・クー)は、香港の庶民の足として親しまれているミニバスの運転手。ある日、そのマンが突然の事故で死んでしまう。悲嘆に暮れるシウワイだったが、マンの連れ子のロロ(原島大地)を見捨てるわけにもいかず、自分の手で育てる決心をする。彼女はミニバスを修理して運転手として働き出すものの、慣れない仕事で思い通りに行くわけもなく、生活は困難を極める。そんなシウワイを見かねて、マンの同僚だったファイ(ラウ・チンワン)が手を差しのべる。いつしかファイに心の安らぎを感じ始めるシウワイだったが、気丈でありたいとつい意地を張ってしまう…

コチラは昨年のDVD鑑賞ながら、アップができずにいた作品。

2003年の製作ですから携帯電話も重要なツールとして使われていますが、
このミニバスがレトロな旧式の日本製だったり、
そのシステムが組合があるとはいえ乗客にとっては忙しい、面白いシステムだったりと、
香港ならではの古さと新しさが混在していて面白く、暗くなりがちのテーマにもかかわらず最後まで引き込まれました


結婚目前のデートの前の幸せなシウワイは、
一転、マンとの思い出とロロ以外、何も無い現実に突き落とされる。
新居も決まっていたし、なにより彼の一番大事なロロを養っていかなければならない現実―。
心に大きな痛手を負ったまま、もともとが勝気で意固地なところのあるシウワイの痛々しい奮闘の日々が展開されていく。
もがけばもがくほど事態は上手くいかず、シウワイの意地っ張りにも拍車がかかっていく。

そんな彼女にただ一人、指南役が現れるが、このオトナの男も訳ありで、、、

婚約者を失い、その子供を引き取り、彼との幸せな思い出にしがみ付きながら必死に今日を生きる姿に胸がしめつけられます。



過去を抱えながら、今日という現実と奮闘する意固地な女と無骨なワケあり男。
彼らの真ん中に、いつもあどけないロロ―。
永遠なんてない。あるのは生きていく現実。
――そして、そこにある手…。

ありふれたテーマであるけれど、
ラブストーリーというより、心の傷の痛みに耐えながら、生きていくことを学んでいく、
一人の女性の成長物語という印象。
派手さは欠片もないけれど、香港映画らしい生命力を感じる作品でした