怖ろしくも、哀しく、美しい12歳の初恋
原題 LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN
製作年度 2008
製作国・地域 スウェーデン
上映時間 115分 映倫 PG12
原作 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 『モールス』(ハヤカワ文庫刊)
出演 カーレ・ヘーデブラント/リーナ・レアンデション/ペール・ラグナー
ヴァンパイアの恐怖や哀しみと同時に、孤独な少年の切なくも美しい初恋を繊細に描ききり世界中で絶賛の嵐が巻き起こったスウェーデン発ヴァンパイア・ムービー。
ストックホルム郊外の小さな町。集合住宅に母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー。同級生のイジメに苦しみながらも、誰にも助けを求めることが出来ず、ただ復讐を夢想してはじっと堪え忍ぶ日々。そんなある晩、彼はひとりの謎めいた少女と出会う。彼女は、オスカーの家の隣に父親と引越してきたばかりの少女エリ。やがて、同じ12歳だという彼女と毎晩のように言葉を交わすようになり、自分よりも大人びた彼女に次第に心惹かれていくオスカー。その頃、町ではおぞましい殺人事件をはじめ奇妙な出来事が立て続けに起こり…
悠に30℃を越す猛暑の中、見に行ってきました。
辿りついた銀座の小さなロビーは人で溢れ、まだ開演に間があるというのにチケットはもう最前列が残り僅かという人気ぶり。
ヴァンパイアに恋する少年の物語、良かったです......
冒頭、長い長いただ暗い画面のあと、降りしきる雪、無感動な少年の一日の終わり。。
ある晩この町に越してきた一人の少女と男。
その晩から静かに町は変わりはじめ、オスカーの孤独な心にも変化が、、、
そう、この静かで美しい作品は、
イジメに苦しみながら、誰にもそのことを言えず、孤独にふんばっている少年と、
永遠に12歳の容姿のまま、ヴァンパイアとして生き続けるしかないエリの、
ラブストーリーというよりは友情・・むきだしの孤独を分かち合うふたりの物語でした。
オスカーには口うるさくて優しい母親も、離れて住んでいても会えば優しい父親もいるけど、
彼の心の闇には気づかない。
でも、エリは彼の心を突き動かした。たった一言で。
シンとして静か。冷え冷えとして美しいフォトジェニックな画面。
でも、血が滴り、アレコレ飛び散ります。
惨いシーンもありながら、
なぜかヴァンパイアとして生きていかねばならなくなったエリの孤独と、愛と別離―
そんな彼女を理解し恋する男の殉愛。
そんな彼女に勇気を貰い、惹かれながらも人を殺さずに生きられないヴァンパイアに距離をおこうと悩むオスカーの心理…
ここを去って生き延びるか。
とどまって死を迎えるか。
しかし―。恋にたちどまったとしても、死を迎えることはできないエリ――
だって、「生きるってことは、そういう事じゃない?」
……ずっと12歳でも、彼女の言葉は説得力がありました。
ここを去って生き延びることも考え、
しかしとどまって死をむかえることもしなかった。。。生きるってことは――!!
孤独と理解と、生きるという事。
ツッコミどころもあるけれど、音の使い方、画面の明暗の切り替えが素晴らしく、
まだ幼い二人を襲う生々しさと痛々しさが際立って見えました。
崖の淵を歩かされているような、少年のイジメ――。余談ですが、
オスカーの心を突いたエリのセリフは、「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」のまなと(タッキー)と唯(恭子ちゃん)のシーンを思い出していました。
「やっちゃいなょ」「キミがそのいじめっ子をやっつけるの」
小悪魔なセリフをはいても、天使な恭子ちゃん・・
久しぶりに第1話から観てみたくなりました.....
原題 LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN
製作年度 2008
製作国・地域 スウェーデン
上映時間 115分 映倫 PG12
原作 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 『モールス』(ハヤカワ文庫刊)
出演 カーレ・ヘーデブラント/リーナ・レアンデション/ペール・ラグナー
ヴァンパイアの恐怖や哀しみと同時に、孤独な少年の切なくも美しい初恋を繊細に描ききり世界中で絶賛の嵐が巻き起こったスウェーデン発ヴァンパイア・ムービー。
ストックホルム郊外の小さな町。集合住宅に母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー。同級生のイジメに苦しみながらも、誰にも助けを求めることが出来ず、ただ復讐を夢想してはじっと堪え忍ぶ日々。そんなある晩、彼はひとりの謎めいた少女と出会う。彼女は、オスカーの家の隣に父親と引越してきたばかりの少女エリ。やがて、同じ12歳だという彼女と毎晩のように言葉を交わすようになり、自分よりも大人びた彼女に次第に心惹かれていくオスカー。その頃、町ではおぞましい殺人事件をはじめ奇妙な出来事が立て続けに起こり…
悠に30℃を越す猛暑の中、見に行ってきました。
辿りついた銀座の小さなロビーは人で溢れ、まだ開演に間があるというのにチケットはもう最前列が残り僅かという人気ぶり。
ヴァンパイアに恋する少年の物語、良かったです......
冒頭、長い長いただ暗い画面のあと、降りしきる雪、無感動な少年の一日の終わり。。
ある晩この町に越してきた一人の少女と男。
その晩から静かに町は変わりはじめ、オスカーの孤独な心にも変化が、、、
そう、この静かで美しい作品は、
イジメに苦しみながら、誰にもそのことを言えず、孤独にふんばっている少年と、
永遠に12歳の容姿のまま、ヴァンパイアとして生き続けるしかないエリの、
ラブストーリーというよりは友情・・むきだしの孤独を分かち合うふたりの物語でした。
オスカーには口うるさくて優しい母親も、離れて住んでいても会えば優しい父親もいるけど、
彼の心の闇には気づかない。
でも、エリは彼の心を突き動かした。たった一言で。
シンとして静か。冷え冷えとして美しいフォトジェニックな画面。
でも、血が滴り、アレコレ飛び散ります。
惨いシーンもありながら、
なぜかヴァンパイアとして生きていかねばならなくなったエリの孤独と、愛と別離―
そんな彼女を理解し恋する男の殉愛。
そんな彼女に勇気を貰い、惹かれながらも人を殺さずに生きられないヴァンパイアに距離をおこうと悩むオスカーの心理…
ここを去って生き延びるか。
とどまって死を迎えるか。
しかし―。恋にたちどまったとしても、死を迎えることはできないエリ――
だって、「生きるってことは、そういう事じゃない?」
……ずっと12歳でも、彼女の言葉は説得力がありました。
ここを去って生き延びることも考え、
しかしとどまって死をむかえることもしなかった。。。生きるってことは――!!
孤独と理解と、生きるという事。
ツッコミどころもあるけれど、音の使い方、画面の明暗の切り替えが素晴らしく、
まだ幼い二人を襲う生々しさと痛々しさが際立って見えました。
崖の淵を歩かされているような、少年のイジメ――。余談ですが、
オスカーの心を突いたエリのセリフは、「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」のまなと(タッキー)と唯(恭子ちゃん)のシーンを思い出していました。
「やっちゃいなょ」「キミがそのいじめっ子をやっつけるの」
小悪魔なセリフをはいても、天使な恭子ちゃん・・
久しぶりに第1話から観てみたくなりました.....