to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

トリコロールに燃えて

2012-05-09 22:43:21 | the cinema (タ行)

製作年度 2004年
原題 HEAD IN THE CLOUDS
製作国 イギリス/カナダ
上映時間 121分 映倫R15+
脚本:監督 ジョン・ダイガン
出演 シャーリーズ・セロン/ペネロペ・クルス/スチュアート・タウンゼント/トーマス・クレッチマン/スティーヴン・バーコフ
1933年のある日、イギリスの貧しい学生ガイ(スチュアート・タウンゼント)は上流階級の美しい娘ギルダ(シャーリーズ・セロン)と出会い、一夜を共にする。だが、彼女はガイの求愛を受け止めることなく、新たな人生を求めて単身パリへ旅立って行った。そして3年後、ギルダからの手紙に導かれてパリに降り立ったガイは彼女と再会。しかしカメラマンとして華やかな生活を送るギルダは、パトロンとの関係を止めようとはしなかった。それでも彼女の本当の願いは、スペインの内戦を逃れてきた友人ミア(ペネロペ・クルス)、そしてガイの3人で暮らすこと。はたして、3人は同居を始め、戦争の現実に背を向け享楽的な日々を送る…。

1930年代、不穏な風が吹いてきたヨーロッパを舞台に、貧しい真面目な青年と、
14歳の時に占い師から「34歳以降の人生が見えない」と告げられてしまった女性が出会う物語。

先が見えないと言われたギルダは、その言葉によって生き急いでいるかに見える。数年後、
パリで女優やカメラマン、芸術家、と次々に活動の場を変えパトロンを持ち華やかで享楽的生活に、
社会人となっていたガイを巻き込む―。


そんなギルダと生活を共にしていたのは、スペインの内戦を逃れてきた友人のミアだったが、
ナチスの足音は次第に彼らの生活の直ぐそこまで聞こえる頃、
ガイとミアは良心に逆らえず、内戦の激化するスペインへと発って行き、
戦争が迫りくる現実から目を背け続けるギルダはパリに一人取り残される・・・

さらに数年後、世界は長い戦争へと突入して行き、
レジスタンス活動をしていたガイが、ナチス占領下のパリで目にしたギルダは―…

ほとんどの人は皆、自分の未来を知ることなく、それでも将来の不安を胸に今日を生きる。
しかも戦争のさ中であれば、いつも死への恐怖と隣り合わせであったはず。
このドラマのヒロインは、はからずも自分の寿命を予言され、以降の人生を行き急ぐ。
やりたい事には飛びつき、好きな人は自分の傍に置く。
しかし、そうしながらも自分の運命を決めたのは、結局、彼女自身だったように思う.....。
たった一度のガイとの出会い、そして、たった一人で挑んだ彼女の孤独な戦いも。

物語はガイ目線の一途な愛のドラマであるが、この作品の主人公はあくまでギルダ。
美貌でお金も才能もあるギルダの、
大切なものを捨て、人生を懸けた決断が胸を打ちます。。。
ただのメロドラマになっていないのは、見逃しがちな14歳のシーンを巧く時代に繋げていったからでしょうが、
これが結構ラストで効いていたと思います。中盤からが面白い

蛇足ながらこの作品に関しては「邦題」の方が良い様に感じましたね~。
やっぱりこの原題ではしっくりこないし、終わってみれば納得のタイトルでした。