to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

平清盛 第19回

2012-05-14 23:55:43 | TV dorama

脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/三上博史/山本耕史/森田剛/成海璃子/小日向文世/和久井映見/阿部サダヲ/國村隼/中村梅雀/井浦新/上川隆也
第19回 「鳥羽院の遺言」 14,7%
誰もが予想しなかった後白河天皇(松田翔太)の誕生に、朝廷は騒然となる。鳥羽院(三上博史)に再び裏切られた崇徳院(井浦新)の心中を推し量り、清盛(松山ケンイチ)は不安を覚える。その騒ぎをよそに、清盛の館に一人の美しい娘がやって来る。彼女は時忠(森田剛)の妹・滋子(成海璃子)で、強い意志を持つ滋子が清盛にはまぶしく見える。源氏方では、義朝(玉木宏)の子・義平(波岡一喜)が、棟梁の証しである友切の太刀を持つ義朝の弟・義賢(阪本浩之)を討つ。そんな中、後白河帝即位宴が開かれる。そこに崇徳院から祝いの歌が届くが、歌に秘められた恨みの言葉に気付いた後白河天皇は、もののけのように暴れだす。その姿に白河院の面影を見た鳥羽院は、恐れのあまり体調を崩す。鳥羽院を見舞った清盛は、崇徳院への謝罪の写経を託され、崇徳院の元へ向かう。

今回は、鳥羽院が雅仁を帝としたことで、いよいよ孤独を深め恨みを強くしていく崇徳院と、
血を分けない父である鳥羽院の仲を取り持とうと心を砕く清盛の、世の平安を願う為の努力と
彼の周りで溝を深め、決裂していく源氏の親子、藤原摂関家の親子のその後に起きる戦いの、その発端となっていく争いを描いた回でありました。

近衛帝が亡くなった時に、一度は崇徳院を世継ぎにと発言した鳥羽院が前言を翻したは、
心の弱みを衝いた信西の一言で、まんまと後白河天皇とともに政治の中央に出てきたのは信西。

妻の死というタイミングも妨げとなって、帝を決定する場にも立ち会うことが出来なかった左大臣・藤原頼長は、今回もまた身内の陰謀から
亡くなった近衛帝を呪詛していたとあらぬ噂を流され、朝廷から遠ざけられ、あれほど買ってくれていた父・忠実からも冷たく突き放される。危うし頼長。

そんな父と息子が断絶していく中で、平家パートは相変わらず和やかムード。
この日も時忠が呼んでお披露目した妹の滋子を、自分の相手だと勘違いする清盛他、息子や、家貞、叔父上までもに呆れる時子さま(笑)
その時の滋子のハッキリとした物言いに刺激を受けた清盛が池禅尼に、新しい帝に気に入られるよりも、ずっと苦しい想いをしてきた上皇(崇徳院)の心に寄り添いたいと告げるんです。
実の父と子でなくとも、いや、そうでないからこそ、いつか本当の親子になれる日がきっと来る。それを私は知っておりまする。法皇様と上皇様にも、その喜びを知って戴きたい
この時の池禅尼の含みを持たせたセリフが気になっていたら、、、

1155年10月、後白河帝が正式に即位し宴が催されると、崇徳上皇からの祝いの歌が披露されるが、
歌の中に「あなにくし」の文字をみつけた後白河帝は癇癪を起こし暴れると、
鳥羽法皇は後白河の中に白河法皇の面影がだぶり、たちまち後悔するとともに過去のトラウマからか体調を壊して倒れこむ―。


法皇を見舞う清盛は、大事の折には御所を守れと言われるが、父と子の争いを更に荒立てるために武力が存在するわけではないとキッパリと返し、
謝罪の気持ちを崇徳上皇に伝えては?と勧め、法皇の写経を手に崇徳上皇を訪ね「法皇様は悔いておいでです」と
法華経の「長者窮子(ちょうじゃぐうじ)」の是は我が子なり。法皇様の心よりのお言葉にござりますと言葉を添えるが、
虚しく空をみる上皇の心は動かず、写経は破り捨てられるのでした・・・

虐めた側(鳥羽院)の後悔と、虐められた側(崇徳)の傷の深さ、その厳しく長い時間が印象的な今回、
折角の清盛の心遣いも、その深さが生むすれ違い・・・

一方の源氏は、平和な平氏とは対照的に、義朝は自分の息子を使い、弟を襲い力ずくで棟梁の証である"友切"を強奪。
更には藤原頼長に忠義を誓う父・為義の立場を無視し、鳥羽法皇への誓紙を書いた義朝は、
長く支えてくれた鎌田正清(趙和)にも去られ、清盛邸を訪れる―。
崇徳上皇を追い詰めるは争い事を起こすだけと主張する穏健派な清盛に対して
この混乱こそが武士が出世する好機だと、ケンカ上等の荒々しい義朝。源氏の気質でしょうか。

いよいよ鳥羽法皇の危篤の知らせに
破り捨てた鳥羽院の「是我子」の文字に心を決めた崇徳であったのに、、、
警護を固めて御所に崇徳院を近づけぬは信西の策なのでしょうか。同じ物の怪の血を引いたことで逆境に立たされた崇徳院を心から案じてきた清盛との、ここでもすれ違い―。会わせてあげて欲しかった・・・
雨の中対峙するシーンでは敢え無く決壊してしまいました(涙)

無念の涙に崩れ落ちる崇徳院に近寄る人影~!!!アイツです~

保元の乱の背景を、じっくりと描いた回でしたが、
今回も出家したはずの池禅尼が、普通に平氏の集いに同席して、何やら言っていたのも不穏な感じ。
来週は一気に保元へのカウントダウンに入りますね

信西の野心と、源氏、藤原摂関家、朝廷の血を巡る長い怨念がひとつの流れとなって
平氏も中立を取っていられなくなり、、今度は平氏側に?!
来週も楽しみです!