THE HUNDRED-FOOT JOURNEY
上映時間 122分
製作国 インド/アラブ首長国連邦/アメリカ
原作 リチャード・C・モライス『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(集英社刊)
脚本 スティーヴン・ナイト
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ヘレン・ミレン/オム・プリ/マニシュ・ダヤル/シャルロット・ルボン/ミシェル・ブラン
フランス南部でインド料理店を開いた移民家族と、その真向かいに建つミシュラン1つ星の名店フレンチ・レストランの女主人マダム・マロリーが、互いの料理と文化を巡って激しく衝突するさまとその顛末をハートウォーミングに綴る。
南フランスでミシュラン1つ星を誇るフレンチ・レストランの気高きオーナー、マダム・マロリー。夫を亡くして以来、レストランに情熱の全てを捧げてきた。そんなある日、故郷インドを追われ、新天地を求めてヨーロッパにやって来たカダム一家が、マダム・マロリーの店の向いにインド料理店をオープンする。派手な電飾と騒がしいインド音楽に眉をひそめるマダム。市場での食材の奪い合いも勃発し、マダムとカダム家の頑固なパパは一触即発の険悪ムードに。そんな中、カダム家の次男で亡き母の才能を受け継いだ天才料理人ハッサンと、マダムの店の副料理長マルグリットは互いに心通わせていくが…。
インドでレストランを経営し、裕福で幸せな生活を送っていたハッサン一家は、
ある日選挙絡みの暴徒によって店が火事になり、一家のマトメ的存在のママを失い、以降はインドを逃れて
ヨーロッパの各地を転々。入国審査、出国の管理局のやりとりとともに手際よく語られ
新天地を求めて旅する一家が車のトラブルで足止めをくったその地は…―
パパが心を奪われたその売家は、道路を挟んでミシュラン1つ星を誇る高級フレンチ・レストラン。
奇しくもそのオーナー、マダム・マロリーはその空家の管理を任されているという。
パパとマダムのこの出会い。
マダムのお店でシェフとして働くマルグリットと一家の自慢の料理人・ハッサンの出会いが
テンポよく語られ、予想通りの展開であっても、飽きさせない。
フランス人はホテルで値切らない。でもパパは気にしない。
フランスのレストランは客引きをしない。でもパパはメゲナイ。
故郷を捨てフランスにたどり着いた一家は、パパの号令のもとインド料理店を開業する。
格式高い名門フレンチの真向かいに、にぎやかな音楽と庶民派インド・レストラン──
対照的な2つのレストランは、食材やお客をめぐって激しい小競り合いを繰り返し、
やがて、マダムの意図しない事件を起こしてしまうが、、、
ラッセ・ハルストレム監督といえば、やはり男性を美しく描くというイメージがある。
「ギルバート・グレイプ」の家族という重荷に押しつぶされそうなジョニー・デップ然り、
「サイダーハウス・ルール」の、女性を援ける為の堕胎という重荷に人知れず苦しむ院長・マイケル・ケインもステキだった。
そして、本作では“絶対味覚”の持ち主ハッサンが、さながらギルバートのような、
淡い恋心と、孤独感を滲ませて、程よいスパイスになっていて、そこにらしさを感じた
愛することは、、やっぱり、忘れないこと・・・。
今回は設定もあってか音楽が、大好きなレイチェル・ポートマンでなく
ちょっとインド色が勝ってるかもだけど(笑)
シャルル・アズナヴールの「帰り来ぬ青春」が、超!超~懐かしかった。
ウン十年も昔、よく聴いてたなあ…(←遙かに遠い目)
Hier Encore
本作品に挿入されているオリジナル版、探せなかった....
本作品に挿入されているオリジナル版、探せなかった....
TB&コメント、ありがとうございましたm(__)m
ハルストレム監督は今まで秀作が多かったと思いますが、
どこか描かれるストーリーの中で、観ている側に、
心に少し重いものを押しつける節がありました。
この映画はそんな所もなく(嫌がらせはあったものの)、
ハートウォーミングなストーリーに仕上がっていました。
ヘレン・ミレンの自然体の演技に魅せられました!
「私は貧乏ではない。倹約家なのだ」ってほぼ同じセリフが今年の大河ドラマでもあったなあ。使う時には使う。・・・・・・うーんと、嫌がらせの買占めに使うなよ。
心に少し重いものを押しつける節がありました。
・・・確かに
それでも、いつもどこか自由で女神のような女性が現れて~
なんとなくいい予感を残してくれる作風はコチラもあって、
フランスの頑固さと、インドのメゲナイ精神のバトルが、
実はセーブの効いた大人の勝負をコミカルに描いていて面白かったです
ある意味、プライドが高くて折れる事を知らないフランス代表と、
よく言えば積極的、ともすると執拗なインドの男性代表、みたいだと思いました(笑)
>嫌がらせの買占めに使うなよ
売られたケンカを買った、アレは私は賛成です(爆)
甘かったり辛かったり、アチコチにスパイスがちりばめられた素敵な作品でした。
マダムとパパの恋模様?も愉快でしたね(^^)
代表的とも思えるフランス女性とインド男性の、
キャラもしっかり描かれてましたから先が読めちゃう感はありましたが、
新天地で成功を夢見る者、異人種を受け入れるまでの葛藤も滲ませながら
それでも暗くならずに、スパイスの匙加減が丁度よかったですよね~