早春の少し冷たい風に吹かれながら歩いていて、ふと路傍の花が目に止まりました。
あぁ、そうだった…
24年前の春、私の世界に色が戻ってきた日を鮮明に思い出しました。
前にもブログに書いたけれど、本当に不思議な体験でした。
夫が急逝して6年近く、私は私の見る世界が色褪せていたことに全く気づかなくて、ある晴れた日の朝、道端に咲く“オオイヌノフグリ”の鮮やかなブルーに目を見張ったのです。
オオイヌノフグリだけではない、顔を上げた先に咲いていた桜も、見上げた晴れ渡った空も、本当に美しい色で…見回す私の周りをパーッと急速に美しい色が広がって行ったのでした。
あれは…
夫の死後、地獄の底を這うような、いい事なんて何一つない日々を乗り超えた私に神様がくれたプレゼントだったのかもしれない。
それからも私の身に色々な事は起きました。
でも、私の周りの世界が変わらず美しく見えている限り、私は大丈夫と思えるのです。