朝ドラの「虎に翼」を観ていたら、主人公の姑(余貴美子さん)が認知症(当時の病名は老年性痴呆)を発症して徐々に悪化していく様子が描かれていました。
家族が不在の日中はお手伝いさんが来てくれている様子だけれど、当時としては経済的に恵まれた家庭だから出来たことだろうな、と思う。
ただ、この先はどうなるのだろう…主人公が仕事を辞める選択はしないような気がする…。
1972年発売の、認知症を扱った小説「恍惚の人」の主人公は、最終的に舅の介護の為に退職をせざるを得なかった。
当時、施設はあっても、人手がかかることを理由に徘徊をする老人を預かってもらえなかった。夫の、“妻が家庭に入って父親の介護をすべき”という、無言の圧力に主人公が抵抗を感じる場面が描かれている。
…私は介護保険法が施行される前年、仕事の関係でケアマネージャーの資格を取得しました。結局、ケアマネの仕事につくことはなかったけれど、資格を継続するために5年毎に更新研修を受講しなければならない。
1回目の更新研修で在宅で暮らす方をモデルにケアプランを立てた時に、ファシリテーターに指摘されたのが、“フォーマル(公的)な支援だけでなく、家族やボランティア、近所の人などインフォーマルな支援も盛り込むこと”
初回研修ではそのような話、なかったと思う。介護保険法が施行されて5年目の事で、“国は公的な保険を作ったけれど、結局家族の大変さは変わらない?”と、参加した人達と顔を見合わせたのでした。
その後何度か更新研修を受けて、病気を機に更新することもなく時が過ぎ、ケアマネ研修なんて遠い昔で、今や自分自身が介護保険を利用する日が近いかもしれない年齢になりました。