夫の命日近くになると、私はCPR(心肺蘇生)を学び直します。
30年前、夫は家で深夜にひどい咳をした後呼吸困難に陥り、またたく間に心肺停止状態になりました。すぐCPRを行ったけれど、搬送された病院で死亡が確認されました。
前にもブログに書きましたけれど、家族が突然家で亡くなるって、大変なことです。
病院に搬送時には死亡していたので警察に連絡が行き、私は事情聴取を受けました。書類は死亡診断書ではなく、死体検案書になるんですね。その為に警察が呼ばれるのです。
同じことを担当者を変えて2度聞かれました。2度目の時、疑われていると気づきました。
「心肺蘇生をしました」と言ったら詳しく聞かれて、調書に大きく“人工呼吸”と“心臓マッサージ“と書いてありました。
でも、本当に疑いが晴れたのは、夫の生命保険の受取金額のあまりの少なさに(夫は保険嫌い)「じゃぁ、ないな」ですと。
警察官は現場検証をするために家の中を見に行くと言い、当時19歳の長女が立ち会いました。私は葬祭業者が来るのを待つために病院に残らなければならなくて、今思っても可哀そうな事をしてしまった
自宅へ戻り、警察署が開くのを待って、書類を取りに行きました(何だったかも覚えていないです)。あの時…誰か大人がいたのか、娘達だけだったのかも覚えていませんが、この日から私の闘いの日々が始まりました。
未成年の娘二人と老犬1匹と1羽のオカメインコ。彼らを守らなければなりません。仕事をしていたので、明日食べる物に困るという事がなかったのは幸いでした。
当日の朝、職場に電話したら、夜勤していた先輩が「これからどうするの?」と言って泣いてくれました。残された私達を思って涙して下さった最初の方で、あの時の言葉は30年経った今でも忘れられません。
あれから30年の歳月が流れて…。
失われた命は二度と戻る事がなく、今、事件や戦争で簡単に人の命が失われてしまうのをみると、本当にやめて!と思います。