最近、太平洋戦争に関する本を読んでいる。
終戦時、ほとんどの日本人が次のように考えていたかと思うと、おもわず笑ってしまう。
「天皇陛下がラジオで放送しやはんねやと。何やろか」
八月十五日、父のいない私の家でガーガーピーピーいうラジオの前に、隣の人もまじえて集まりました。
静かな陛下の声が聞こえましたが、私には何の事かわかりませんでしたが、同じように緊張して立っていました。
終わっても大人達はしばらく無言でした。
やがて隣のおばさんが、「日本は負けたんやな・・・・」と泣き出しました。
負けた!私はぼんやり立っていました。
「日本は絶対負けへんゆうてたのに、皆んなゆうてたのに・・・・・」
それから何日かすると人々はいろんな事を聞いてきたり言ったりしました。
「アメリカ人ゆうたら畜生やさかい、何しよるかわからへん。男は皆んな殺して、女と子供はつれて行きよんねんと」
「アメリカ人来よったら山へ隠れなあかん、もう日本へ上陸してんのやと」
隣のおじさんは、アメリカ人に食われたらあほらしいと、五羽ほどいたにわとりを次々と殺して食べてしまいました。・・・・
8月15日のこどもたち あの日を記録する会編より