京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

奈良の名刹 忍辱山(にんにくさん)円成寺

2020年04月03日 09時34分00秒 | 日記
 4月2日、コロナウィルスで外出もはばかれる中、いつもは電車とバスで京都や奈良、滋賀を巡りますが、今日も感染リスクを出来る限り避ける為に車で奈良市郊外にある円成寺を訪ねました。





円成寺は奈良市の東北に位置する真言宗御室派に属する寺院です。
奈良市内からバスで30分あまり掛かる為、今まで未訪問のお寺でした。
「忍辱山圓城寺」の石柱の脇を通り過ぎると名勝庭園に指定されている"円成寺庭園"が広がります。



寺の歴史は平安時代聖武・孝謙天皇の勅願と伝えられますが、事実的には万寿3年(1026)命禅(みょうぜん)上人が十一面観音をお祀りされたのが始まりです。

受付を済ませ、まずは本堂の阿弥陀如来さま(平安時代 重文)にお祀りします。



坐高が145cmある大きな阿弥陀さまで定印(上品上生)の印を結ばれた定朝様式です。
単眼鏡で見ると光背には極楽浄土の世界に咲いている宝相華(ほうそうげ)の透し彫りが施され、台座は九重の蓮台の豪華さです。

次に、円成寺の鎮守社の春日堂と白山堂で共に鎌倉時代のお社で国宝に指定されています。



安貞2年(1226)奈良春日大社の式年遷宮の際、旧社殿が寄進され、年代、寄進者の氏名も記録に残りる確かなお社で全国的にも最も古い春日造の社殿です。

次に、今回最もお会いしたかった運慶作の大日如来坐像です。多宝塔のご本尊ですが国宝でもある貴重な大日如来なので今は設備の整った「相應殿(そうおうでん)」にお祀りされています。


(購入した絵葉書からです。)

運慶25歳頃の最初期の作品で桧の寄木造で平安仏には珍しく玉眼を入れ、漆箔仕上げの像です。



大正10年の修理の際。台座蓮肉頂板裏から運慶真筆の墨書銘が確認され、約11ヵ月の後、お寺に奉渡された旨が書かれています。

多宝塔には近年に制作された大日如来坐像が安置されています。





最後に、ご本尊の阿弥陀さまと大日如来さまの御朱印を授与して頂き、次に岩船寺へと向かいました。