信濃毎日新聞に「県内の万引 高齢者3割 年金頼み、生活苦しく孤立感も 」で高齢者の犯罪が増加している記事が書かれてある。テレビでも70年代からはあるNNNドキュメントで高齢者初犯が急増していると放送されていた。
NNNドキュメントでは服役中の者や出所者などへのインタビューも流されていたが、共通している事が周囲に助けとなる者がいない、生活に不安感を大きく持っているという事だろうか。
年の大きく離れた親類に金を貸したが、返金は付き1万づつだった。だが、残り少なくなると返金はしなくなる。その事に感情的となり、殺害行為に出てしまった。
病気を持つ子供がいるが、癌に掛かっている状態で後どれくらい生きていられるか分らない。子供は自分や妻に暴力を振るう状態だったが、2人は子供は病気だと我慢していた。だが、ある事が切っ掛けとなり、殺害行為を行ってしまった。
一人暮らしの者が、複雑な関係から面倒を見る事となってしまい、殆ど会話する事もない者の世話を行っていたが、どうして自分だけが行わなければならないんだと苛立った気持ちになり、犯行を行ってしまったらしい。
そして、高齢者初犯では万引きが最も多く、6割を占めていると放送されていた。万引きの犯罪件数は、未成年の件数が減少していっているに対し、高齢者は大きく上昇している事から、現在では高齢者が未成年を上回る状況となっているらしい。
信濃毎日の記事にも書かれてあるが、万引きを行ってしまう高齢者は、生活が非常に苦しい状況へと追い込まれてしまっているのではないか。
ドキュメントでの、万引きの懲役を終えて出所した者へのインタビューでは、バブルの頃には良い生活を送っていたみたいだが、デフレ経済になると仕事を点々とするようになり、高齢期となってからは職にも就けなくなり、ホームレス状態となる。それを3年程続けた頃に、近くにあったスーパーで万引きを行ったとしている。
信濃毎日の記事に高齢者が万引きする要因として、生活の困窮、地域で孤立、認知症で善悪の判断が出来ないを挙げているが、ドキュメントでも高齢者犯罪の要因は社会からの孤立・孤独、そして万引きは社会に関わりの無い状態にある事を要因に挙げていた筈だ。
そして、社会からの孤立・孤独が犯罪への抑止を弱めてしまっていると。
高齢者となった時、どの様な生活を送る者が増加するのだろうか。恵まれている者であれば、家族に囲まれ、以外からも多くの接触があるのかもしれない。それにより、孤立感など感じる事はないだろう。
だが、中・低級所得の家庭では、高齢夫婦だけの生活が多くなるのでは無いだろうか。或いは一人暮らしとの者達も多いんじゃないか。
高齢夫婦、高齢の一人暮らしも年金だけで生活を送るようになっているだろう。決して余裕ある生活を送れる状況では無い。
更に人との接触も非常に小さくなっていくだろう。
また、昔とは異なり独立した生活を送るようになった子供達は、現在では実家との接触に消極的となっているのではないだろうか。
夫婦生活でも配偶者が介護状態となれば、生活はより苦しい状況へと追い込まれていく事になる。様々な要因があるだろうが、一人暮らしとなった高齢者は孤独な生活を強いられる様になっているだろう。
共に苦しい生活を強いられている事は間違い無い。その事が、精神面も困窮し、誤った行動を起こさせているのかもしれない。
これからも、高齢化の犯罪は増加していくのかもしれない。これを制止する為にも、高齢者に対するもっと活発な福祉活動が必要なのでは無いだろうか。特に、高齢者に孤立や独立を意識させない為の福祉の政策を行わなければならないだろう。
高齢者が急速に増加している、未来の日本の高齢化社会の為にも。
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