小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

「脱原発」ということ

2011年09月04日 | 社会
 今朝のニュースで、四国電力伊方原子力発電所で定期点検のため原子炉を止めたという報道がありました。定期点検で約15ヶ月程度停止することになると思いますが、今のところ、定期点検が終わっても、よほどのことがない限り運転再開は難しいといわれています。

 先日、所属委員会の所管事務調査で伊方原子力発電所と愛媛県庁に訪問しました。伊方発電所では、3.11の福島第一号機の教訓を生かし、十分必要な対策が施されていました。また、岩盤の上に立地しているだけに、耐震性も万全だと思うほどの発電所でした。

 愛媛県庁では、大分県側として「安全協定」の締結などを求める声があることを伝えに赴いたわけですが、愛媛県としては、「情報交換は行うが、安全協定を締結する程のことは無い」という感触でした。大分県知事も「安全協定」までは求めていなかったと思います。

 確かに、安全性はこれ以上ないと確信するほどの対策が採られていましたから、海を隔てた隣国から、ミサイルでも放り込まれない限り、また、日本海側で3.11東北大震災規模の地震と津波が発生しない限り『安全』なのでは?とも感じました。

 私は、究極的に『脱原発』ということに反対していません。ただ、原子力発電技術の導入は、化石燃料の使用を極力控えると共に、CO2の排出を削減しようということに趣の一つがあります。

 今回の伊方原発の休止炉を含めて、全国に54ある原子力発電所で、これまで総電力需要量の約4割を担っていた訳ですから、これを休止・廃止するとなれば、当面、火力発電に頼らざるを得ません。それが問題だと思います。水力やメガソーラーの開発も少しずつ進んではいますが、今のところ原発の代替がいつごろになるか分かりません。

 国際的な約束事であるCO2の削減をどのように担保するか、また、総需要量をどのように確保するかなどを総合的に政策化しない限り、脱原発だけが先行しても、家庭生活はおろか、中小企業をはじめ産業部門への電力供給が滞ると、雇用の確保もおぼつきません。

 そのような観点から、「脱・原発」もいいけど、代替エネルギーをどのように確保するか、その方向性の一つに、『脱・化石燃料』ということも並行して十分考慮すべきだと思います。

 先日来、民主党代表選挙が行われる中で、脱原発に関していくつかの特徴的な意見も交わされていました。中でも、『原発の寿命が40年であれば、これから、新規建設で運転開始しなければ、40年後には原子力発電はなくなる計算だ』という意見がありました。

 分かりやすい話でした。したがって、どうするかは、これからこの世に生を受ける子どもたちのために、そして今を生きる子どもたちのために、今、われわれ大人が結論を出さねばなりません。

 日常的な生活に欠くことのできない電力だけに、脱原発ならば、繰り返しになりますが、「代替エネルギーをどのように確保するか」という点を明確にすべきだと思いますし、私は、ストレステストをしっかり実施し、これに耐えられた原子力発電は、当面、40年の寿命が到来するまでは、活用するという方針でも良いと思っています。

稼動できなくなった原発の代替に、早速、かつて使用していた火力発電を再開するということも報道の中にありましたが、私は、それは絶対に間違っていると思っています。






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