ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

余韻に浸って、ン~~たまらない!

2004-11-22 21:25:51 | Weblog
   ◎ 本日の歌舞伎・・・河竹黙阿弥作「噂音菊柳澤騒動」
   ◎ 本日の主役者・・・尾上菊五郎・・4役
              尾上菊之助・・3役
              中村時蔵・・3役   他大勢

 余韻に浸るってことのない、サッパリ女なのよ、私は。
後朝(きぬぎぬ)であってもね。いつまでも、物欲しげに男に足を絡めるような女
じゃあないのよ!
「ハイ、おしまい!」ってね。ダ~ラダラって、嫌いなのよ。エッ、余韻がないって?
そんなのは、恋の初めだけよ。馴染みになったら、さっさと褥(しとね)を下がる!
オ~~~ッ言うねえ、レイコサンも。フン、伊達に年食っちゃないのよ!ってね。

だから、炎天下にいつまでも枝にしがみついて、ドライフラワー化した紫陽花なんか
もってのほかってね。大体、ネチ~~っていうのが嫌いだから。
北野たけしが、気が変になりそって言う「桜」がいい!あの潔い散り様がなんとも言
えずいい。満開の桜より散り行く様の桜に、ものの哀れを感じるのよ。
っていう女なんだけど、今日は、ダ~ラダラと余韻に浸ってるのよ。

「ン~~、やっぱり日本人てすご~~い!」ってね。
「日本人の美って、簡潔で、優雅で、奥深い」って。
何をグチュグチュほざいてるのかって?

ウ~ン、幸せレイコサンなのよ、今日は。
ケイコサンから、
「歌舞伎を観ませんか?」
って。
彼女のお友達から回ってきたチケット。プレゼント!これを断るなんて、、そんな
もったいないことをしたら、
「出雲阿国」に、蹴飛ばされちゃうわ。・・・でしょう?
それで、久しぶりに「国立劇場」の大舞台へ、歌舞伎観劇で、半蔵門までね。

友人のご子息が、歌舞伎俳優。「高麗屋」の有望株。可愛いんだァ。華があるのよ。
その「松本染二郎」は、でなかったけど、ちなみにそのお母様からメールで、大阪に
向かってますって、新幹線の中から。じゃあ、ご子息は「大阪公演」に出場なのね。
ということは、本日は「高麗屋」の出し物じゃあないって思った訳よ。

そして、要所要所で、大向こうから「音羽屋!」って、声がかかってたから、
「ああ、今日の国立劇場に出演してるのは、『音羽屋』なのね」って。このくらいの
歌舞伎音痴の私よ。従妹は「歌舞伎」に強いし、NYに住む姪は「能」に強いのよ。
ちょっと恥ずかしいわね。
ただ、今日の演目「噂音菊柳澤騒動・・・かねてきく やなぎさわそうどう」の何がし
かは知ってて、正直ホッだったわ。
背景を知ってると、面白さも一入(ひとしお)ですものね。

徳川五代将軍「綱吉」、俗に「犬公方」って、言われた将軍だったけれど、なかなか
聡明な男性だったらしいのに、どうもここでも母(桂章院)がでしゃばって、とうとう
あの悪名高き「生類哀れみの令」なんか出しちゃった将軍。
田沼意次といい勝負の側用人「柳沢吉保」の暗躍物語。軸を同じにした町人の、同じ
筋書きを平行させてのお話よ。
色恋・金騒動は、上も下もないってお話。

数少ない歌舞伎鑑賞なんだけど、大道具・小道具・衣装などの色合いに、創りに、
最近の街のどぎつい色つかいに、辟易している私は、しばし、その簡潔さ、調和、色調に、
恍惚とするのよ。 たぐい稀(まれ)な色彩感覚の民族なんだわってね。
「影武者」黒沢明:監督の映画で、もちろん観たわよ。アカデミー賞美術衣装部門で、
アカデミー賞をとったでしょう?賞がどうだとかっていう話じゃないんだけど。

ファーストフーズが上陸してからね、もうゴッチャゴチャの、色の氾濫。今じゃ不潔
って感じの、下品さよね。
我が家の周りのお宅の壁面カラー。4軒中、まともな(風土に調和している)色は
1軒のみ!
絶対に、そんな色のウチなんかには帰りたくないって、色ばかりよ。
マリリンとお散歩には、4つのコースがあるのよ。その中の一つに突如出現。思わず、
「マリリンどうしよう?!」
って、どうも出来ないのはわかりきった事なんだけど、ちょっと明るいパープル、
そう、紫に塗り捲った、家が出現。住宅街に建つ、普通のお宅だったのよ。
私が隣人だったら、間違いなくノイローゼになるわね。
場末の「キャバレー」、「アルサロ」、「ラブホテル」、「テレクラ」カラー。

ピンクと同様に、否それ以上に難しい紫の色合い、使い方。
仏教では、紫色の袈裟は、位が高くなければ掛けられないほどの高貴な色。
大体、高貴とは正反対の人間が使いたがるのよね。それも、下半身に通じる色に
しちゃったから、始末が悪い。
すべからく、何事も「知識の裏づけ」くらいは欲しいものだわ。
だから、ドギツイ色のお家にお住まいの方の、程度が知れちゃうのよ。
「何々大学卒業」も、「どこそこ会社」も、関係のない個人の資質、嗜好の問題。

女の人たちの「あばずれ語」が、恐怖の私は、外出って、すっごく緊張するのよ。
又、不愉快な言葉を聞くんじゃないかって。
幸いにも、電車で隣り合わせた女子大生2人の会話は、「ま、許しましょう」の
範囲だったし、知り合いの1人が、
「歌舞伎って、気持ち悪い。何!あの気持ち悪い女形(おやま)の声は!」
って、おっしゃるけれど、巷のあばずれ語からしたら、グ~ンと高尚よ!
所作は、磨きがかかってるし、やっぱり伝統というものは、一朝一夕にできた
ものじゃあない厚みと重みが、漂ってるものよ。そこいらへんの女の人に、爪の
垢でも煎じて飲ませたいほどの動きよ。

でも、最近は、「もしかして、あばずれ語をしゃべる女達は『性同一性障害』の
男なのかも知れない。そうだとしたら、可哀想なのかもしれないけれど、それにしても
日本語を侮辱しすぎてる」って、思うようになってはいるんだけど。

たっぷりお芝居を堪能して、前のお席の女性の「羽織」にも、思わず目が吸い込まれそうに。
総絞りの羽織をお召しの女性に、久しくお目にかかってなかったものでね。お見事!

年配者ばっかり?いいえ、20代、30代とお見受けする女性達も結構観に来てたわね。
男性もいっぱいだったわ。大向こうの声は、男性のよ。

ただ、お隣りで、キラッと金属の光が目に入ってきたので、見るともなく見てみたら、
その女性が、バッグの中から、おもむろに果物ナイフを取り出して、おリンゴの皮を剥いて、
食べながらの観劇なのよ。間はしょっちゅう、自宅からご持参のような飲み物をグビリグビリ。
後ろの席では
「ねえ、ねえ、綱吉ってさあナンタラカンタラ」
「あたし、詳しくないのよ~!」
って、オバサマ達3人のオシャベリがひっきりなしに。

どうして、お口をマナーモードにできないのかしら?
喋る、食べる、飲む、いっときも休憩なし。こりゃ、もう病気だわね。女達の。

そうそう、大いなるサービスに、「松健サンバ」を一同で踊る場面もあって、おかしかった
けど、やるかどうするか、もめたでしょうねえ。
でも、歌舞伎は「傾く・・・かぶく、斬新なもの事を取り入れる」から来てるんだから、
まあ、ご愛嬌でしょう。でも、もめたわね、多分!


   ☆ 本日の言葉・・・「後朝(きぬぎぬ)」「性同一性障害」
   ☆ 本日の映画・・・「影武者」黒沢明:監督 
   ☆ 本日の歴史上人物・・・「出雲阿国」、徳川五代将軍「綱吉」・・犬公方
                「柳澤吉保」、「田沼意次」
☆ 本日ゆかりの政令・・・「生類哀れみの令」