タヌキとキツネと人間と(2)

2016-06-03 21:21:56 | 童話
タヌキが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、キツネが
「僕の時はちゃんとアイスクリームをくれたよ。」
と言いました。

キツネとタヌキは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」

そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を5個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が1個と5円が1個と1円が3個になりました。

キツネが、
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、タヌキも
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。
すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、キツネとタヌキは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、タヌキのアイスクリームだけが木の枝になっていました。また、タヌキが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、キツネが
「僕のはおいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。

「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」とタヌキが言うと、
「どうしてかね?」
とキツネが言いました。
しかし、なぜだか分かりません。