1年だけの友達(1)

2016-06-24 22:23:14 | 童話
私はこの家の玄関の横に生えている小さな草で、小さなお花をたくさん咲かせます。
だけれど、お花の本には私の名前はのっていません。

この家の女の子は私を大切にしてくれて、毎朝、学校へ行く時に
『小さなお花さん、おはよう。行ってきます。』
と言ってくれます。

そして、学校から帰ってくると
『小さなお花さん、ただいま。今お水をあげるからね。』
とお話しをして、お水をかけてくれます。

小さな草の私も夜になると眠るので、夢をみることがあります。

昨日の夢は、女の子と私は手をつないで学校へ歩いて行き、学校で私は女の子の横にすわりました。

国語の本を読む時は、女の子の次に読み、
算数のお勉強では、女の子と一緒に手をあげて答を発表しました。
体操の時間は、私は走れないので、すわって女の子が走るのを応援しました。

そして、女の子と手をつないで帰って来て、玄関の横で女の子とわかれました。