蜜蜂キックロの海外出張(1)

2016-06-19 09:29:17 | 童話
僕はお花がいっぱいの村で生まれた蜜蜂です。
名前は、体が黄色と黒なのでキックロです。
六角形の巣の中で、たくさんの幼虫と一緒に、おいしい蜂蜜をもらって、大切に育ててもらいました。

そして、僕も空を飛べるようになり、毎日おいしい蜂蜜を集めています。

ある日、巣箱の掃除をしたりして、僕達の世話をしてくれているオジさんが、僕を虫かごに入れました。

『あのね、キックロに頼みがあるんだ。日本では、醤油を蜂蜜に交ぜて使うとおいしい料理ができるんだけれど、外国で蜂蜜を使った料理を調べてきてほしいんだ。レストランには無い、家庭料理を探してほしいんだ。』

『うん、いいよ。』

そして、僕は他の蜜蜂と一緒に、全部で30匹の蜜蜂が、5匹ずつ虫かごに入れられ、飛行機に乗せられて外国へ出張することになったのです。
一つのカゴはカナダへ、もう一つはアメリカへ、そして、ブラジルとオーストラリアとイタリアとフランスへ飛行機で運ばれることになり、空港で飛行機を待っていました。

『僕は1番の箱でカナダへ行くのだけれど、2番の箱のみんなは、どこへ行くの?』
『僕達2番の箱はアメリカへ行くんだよ。』

『3番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達3番の箱はブラジルへ行くんだよ。』

『4番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達4番の箱はオーストラリアへ行くんだよ。』

『5番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達5番の箱はイタリアへ行くんだよ。』

『6番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達6番の箱はフランスへ行くんだよ。』