石の飛行機(5)

2016-06-12 08:49:25 | 童話
お母さんが、
『とっくにお昼ご飯の時間が過ぎているでしょ、早く帰ってこないとダメじゃないの。』
と言ったので、
『ごめんなさい、ハワイまで行ったら遅くなっちゃった。』
と謝った。

『ねえ、お父さん、なぜ遠い所へはジェット機じゃないと行けないの?』
『高い所は空気が薄く、抵抗が少ないので早く飛べるし、燃料が少なくて済むからだよ。だけれど空気の薄い所はプロペラ飛行機は飛べないのだよ。』

『お父さん、抵抗って何?』
『空気が飛行機を押し戻そうとする力だよ。』
『ふぅ~ん。』

『ねえ、お父さん、火星へはジェット旅客機で行けるの?』
『宇宙には空気が無いからジェットエンジンでは飛べないよ。』

『じゃぁ、何で行くの?』
『燃料と、それを燃やす酸素と両方を積んだロケットで行くんだよ。』

『ふぅ~ん。よし、明日の日曜日はロケットを作って火星へ行こう。』