タヌキとキツネと人間と(4)

2016-06-05 09:05:03 | 童話
タヌキが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、キツネが
「僕の時はちゃんとアイスクリームをくれたよ。」
と言いました。

タヌキとキツネは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」

そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を5個持って、その上を右手でポンと叩きました。
そうすると、手の中の石が、100円が1個と5円が1個と1円が3個になりました。

タヌキが、
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、
キツネも
「ここに108円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。

すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、タヌキとキツネは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、キツネのアイスクリームだけが木の枝になっていました。

また、キツネが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕のはおいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。

「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」
とキツネが言うと、
「どうしてかね?」
とタヌキが言いました。

しかし、なぜだか分かりません。