1年だけの友達(4)

2016-06-27 21:18:13 | 童話
また秋がきて、1年草の私はたくさんの種を残して枯れてしまいました。

その次の春に、女の子が学校へ行く時に、私は玄関の横から
『おはよう。』
と言いました。

女の子が玄関の横を見ると、去年も生えていたのと同じ小さな草の私が生えているのを見つけました。
『あなたは私を知っているの?』
『ええ、小さなお花を咲かせていたお母さんから、あなたに大切にしてもらったことを聞いていたわ。そのお母さんもおばあちゃんから、あなたのことを聞いたと言っていたわ。』
『そう、うれしいわ。あなたも大切にしてあげるからね。』
『ありがとう。』

そして、私と女の子との1年ごとの友達は、今も続いています。

 おしまい