タヌキとキツネと人間と(3)

2016-06-04 09:59:41 | 童話
別な暑い日に、森のタヌキがお寺の近くにあるお店にアイスクリームを買いにやって来て、アイスクリームの値段を調べました。

「1個108円か、キツネに1個あげるから、2個で216円だね。」

そして、タヌキはお店の外に出て、左手に小さな石を5個持って、その上を右手でポンと叩きました。
そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が1個と5円が1個と1円が1個になりました。

「ここに216円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。こうして、タヌキとキツネは仲良く美味しいアイスクリームを食べました。

タヌキが
「もう1本食べたいね。」
というと、キツネが
「今度は僕が買ってくるよ。」
と言って、また左手に小さな石を5個持って、その上を右手でポンと叩きました。
そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が1個と5円が1個と1円が1個になりました。

「ここに216円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。

そして、キツネはタヌキの所に帰って、2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、2本のアイスクリームは木の枝になっていました。