武器はガチャ、そして(11)

2016-11-09 21:31:00 | SF小説
第十章 理論の確立

「よし、分かった。」
科学推進省は、科学者たちの出した結論を正式採用し、その実現策を協議することとした。

1、まずブラックホールに電荷を持たせる方法として検討されたことは、強烈な重力により全てを吸引しているブラックホール自体は、電荷を持たせることが不可能である。
そこで、宇宙線研究所の学生の筑波新らが浮遊する黒点を密閉容器に捕獲することに成功した事例を採用し、ブラックホール自体ではなくブラックホールを格納した密閉容器に電荷を加える方法が採用された。

2、そして、相反する極性の電荷を加えた密閉容器を、超電導のモーターで正回転と逆回転を加え、光速に近くなるまで回転させて宇宙空間に放出し、お互いに引き合わせ、衝突直前に強力なレーザー光線を地上から照射して、密閉容器に穴を開ける。

3、これにより容器の密閉性を失わせることで、ブラックホールを格納していた容器をブラックホールが呑み込み、容器が取り除かれたブラックホールはすべての物質を呑み込める状態となる。

4、また、ブラックホールはレーザー光線のエネルギーを呑み込んだことにより質量が増大する。

5、そして、お互いに逆回転する二つのブラックホールを、プラスとマイナスの帯電エネルギーで引き合わせて衝突させる。

6、その結果、二つのブラックホールは超高速の逆回転している事により、合体することなく引きちぎられて消滅する。

という理論により、計画を実行することとした。