僕の背中(2)

2017-06-01 21:45:45 | 童話
そして、町内会の運動会は、6人で走って5着でした。
お父さんとお母さんは、
『良かったね。』
と喜んでくれました。
『僕、もっと、もっとがんばるよ。』
それからも、小学校の運動会をめざして走る練習を続けました。

そして、運動会で2着になりました。
『お父さんの言うとおり練習していたから、すごく速くなったね。もう一人抜いて1着になるようにガンバレ。』
とお父さんが言ったので
『うん、あと一人だね、がんばるよ。』
と僕は応えました。

それからも練習を続けて、次の運動会で、ついに1着になれました。
また次の運動会でも1着になり、いつでも1着になれる自信がつきました。
小学校最後の運動会で、僕はみんなを抜き去って1番で走っていました。
その時、僕を抜き去って走って行った友達が二人いました。

僕はだれにも負けない自信があったのにビックリしました。
僕を抜き去って走って行った友達の顔を見た時、またビックリしました。一人は5年生の時の僕で、もう一人は4年生の時の僕でした。

お家でお父さんにその事を話すと、お父さんが
『お前は他の友達より走るのが速いが、今は速くないよ。5年生の時が一番速くて、その次は4年生の時が速かったよ。だから、5年生と4年生のお前に負けたんだよ。』
『そうか、最近は走る練習をしてなかったからね。もう一度がんばって練習をするよ。』
そして、また練習を始めて、僕は友達の背中も、僕の背中を見ないで走れるようにしています。

世界陸上とオリンピックで金メダルをとるまでがんばるつもりです。
 
  おしまい