山の上のロックの永~い旅(4)

2017-06-13 21:28:37 | 童話
『いっぱい来たね。すごい、すごい。』
『この飛んでいる中にお父さんとお母さんも居るよ。』
『こうしてお父さんやお母さんとお話しをしているの?』
『そうだよ、他のトンボともお話しをしているんだよ。』
『それなら寂しくないよね。』
『うん。』

『ここには、ヤゴ君以外は居ないの?』
『沢山居るよ。アメンボやタガメ、そしてゲンゴロウも居るよ。今はみんな出かけているのかな。』
『帰って来たら教えてよ。』
『いいよ。』
『あっ、小鳥が来た。』

すぐ近くでウグイスが鳴き始めた。
『僕の名前はロック、いい声だね。』
『褒めてくれてありがとう。』
『いつも、こんなにいい声で鳴いているの。』
『違うよ、お嫁さんを探す時だけこうして鳴くんだよ。』
『今、君は鳴いているからお嫁さんはまだなんだね。』
『うん、まだ鳴き方が上手くないから仕方ないんだ。』
『僕は上手いと思うけれどね。』
『みんな、もっと上手いよ。』
『頑張ってね。そしてお嫁さんが見つかったら教えてよ。』
『少し時間がかかるよ。』
『暫くここに居るからいいよ。』
『素敵なお嫁さんが見つかるといいね。』
『もっともっと頑張るよ。』

『応援しているからね。お嫁さんが見つかったらプレゼントは何がいい?』
『そうだね、玄関に飾る花輪の飾りがいいかなぁ。』
『いいよ、僕は作れないけれど、リス君に作って貰おう。』
『リス君は手が器用だから、きっと素晴らしい花飾りができると思うね。』
『うん、楽しみにしているね。』