石ネズミ(1)

2017-06-26 21:12:01 | 童話
「お~い、がんばれ。」
「重たいなぁ。」
「重たくてもがんばれ。」
「白い石はここで、黒い石はあっち。この石は灰色と黒い色が混ざっているからあの辺だね。」
「あっ、違う違う、茶色の石はこっちだよ。」
「みんなが良くがんばってくれたから、今日はこれで終りにしようか。」
「また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。」

こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には小さな石が点々と置かれていました。
「あと一ヶ月か、がんばらないと間に合わないなあ。」
次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「やあ、みんな元気だね。今日もがんばろうね。」
「小さい石はここで、大きい石はあそこ。この石は丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。」
「あっ、違う違う、細長い石はここだよ。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、特別なお弁当だからおいしいよ。」
そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながらお弁当を食べました。
「おいしかったね。」
「うん、すごくおいしかったね。」
「お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。」
「そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。」
「お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。」
「僕もお昼寝をする。」
そして、みんなでグーグー、グーグー。

1時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
「それは三角形の石だから、あの黒い石の右側だね。そうそう、そこだよ。」
「あっ、違う違う、その四角い石は細長い黒い石の左側だよ。」
「やっと半分くらいできてきたね。」
「えっ、まだ半分なの?」
「そうだよ。」
「早く完成させたいね。」
「そうだね、まだがんばらないといけないね。」