1年だけの友達(2)

2016-06-25 12:57:47 | 童話
朝になって、女の子が
『小さなお花さん、おはよう。行ってきます。』
と言って学校へ行ったので、私は
『行ってらっしゃい。』
と言う練習をしました。

そして、学校から帰ってきた女の子が
『小さなお花さん、ただいま。今お水をあげるからね。』
と言ってくれるので、私は
『おかえりなさい。』
と、
『いつもお水をありがとう。』
と言う練習もしました。

次の日は声が小さくて女の子は気がつきませんでした。

だけれど、その次の日、私は
『行ってらっしゃい。』
と大きな声で言いました。

すると、女の子はうれしそうに
『行ってきます。』
と言って学校へ行きました。
そして、女の子が帰ってきた時に
『おかえりなさい。』

『いつもお水をありがとう。』
を言うと、
女の子はうれしそうに
『ただいま。』
と言いました。

その夜、私は女の子と手をつないで歩きながら、たくさんお話しをしている夢をみました。

朝になって私は女の子に夢の話をすると、女の子も同じ夢をみていました。

女の子が学校から帰って来た時に
『今日も同じ夢をみるといいわね。』
と言いました。

その夜、私は女の子と女の子のお父さんとお母さんの4人でサイクリングに行っている夢をみました。
私は女の子の自転車の前カゴに乗せてもらいました。

川の土手の風は気持ちが良くて、その気持ちの良い土手でお昼ご飯を食べました。

次の朝に女の子にサイクリングに行った夢の話をすると、女の子は
『サイクリングは楽しくて、川の土手で食べたお昼ご飯はおいしかったわね。』
と言いました。

女の子も私と同じ夢をみたのでした。

それから、私と女の子は、ずっと同じ夢をみました。

1年だけの友達(1)

2016-06-24 22:23:14 | 童話
私はこの家の玄関の横に生えている小さな草で、小さなお花をたくさん咲かせます。
だけれど、お花の本には私の名前はのっていません。

この家の女の子は私を大切にしてくれて、毎朝、学校へ行く時に
『小さなお花さん、おはよう。行ってきます。』
と言ってくれます。

そして、学校から帰ってくると
『小さなお花さん、ただいま。今お水をあげるからね。』
とお話しをして、お水をかけてくれます。

小さな草の私も夜になると眠るので、夢をみることがあります。

昨日の夢は、女の子と私は手をつないで学校へ歩いて行き、学校で私は女の子の横にすわりました。

国語の本を読む時は、女の子の次に読み、
算数のお勉強では、女の子と一緒に手をあげて答を発表しました。
体操の時間は、私は走れないので、すわって女の子が走るのを応援しました。

そして、女の子と手をつないで帰って来て、玄関の横で女の子とわかれました。

蜜蜂キックロの海外出張(5)

2016-06-23 21:25:02 | 童話
『みんな頑張ってくれてありがとう、これでおいしいレストランが作れるよ。』
と僕達の世話をしてくれているオジさんが喜びました。

オジさんは、蜂蜜を使ったおいしい料理の日本料理店を持っていますが、外国の料理のお店を造りたかったのです。

翌日からオジさんは外国料理のレストランを造り始めました。
レストランは大きな六角形をしていて、まるでミツバチの巣のようです。

一番のドアはカナダ料理のお店になっていて、カリブーのステーキをやさしく焼いて柔らかくしています。

二番目のドアを開けると、アメリカ料理のお店になっていて、牛肉のステーキがおいしく食べられます。

三番目のドアを開けると、ブラジル料理のお店になっていて、このお店も柔らかくおいしいお肉を食べることができます。

四番目のドアを開けると、オーストラリア料理のお店になっていて、蜂蜜と味噌とニンニクを細かくして混ぜたものを、野菜や、ゆでたお肉につけたり、つけて焼いたりして食べるがおいしく食べられます。

五番目のドアを開けると、イタリア料理のお店になっていて、おいしいパスタが食べられます。

六番目のドアを開けると、フランス料理のお店になっていて、チーズに蜂蜜をかけた料理がおいしく食べられます。

これで六角形のお店になっています。
『うわっ、どのお店の料理もおいしそうだね。』

ある日、オジさんが僕にお話しをしました。
『キックロ、頼みがあるんだけれど、おいしい料理を探すために、また外国へ出張して欲しいんだけれど、行ってくれるかい?』
『また別のレストランを造るの?』
『そうだよ、もっとたくさんの人に、おいしい蜂蜜料理を食べてもらいたいんだ。』
『うん、いいよ。』
そして、僕とオジさんは次の外国出張の準備をしています。
 
     おしまい

蜜蜂キックロの海外出張(4)

2016-06-22 21:21:27 | 童話
イタリアへ行った僕達の仲間の蜜蜂は、イタリアの蜜蜂の巣箱から飛んで、おいしい料理を探しに行きました。

『やっぱりイタリアではパスタがおいしいんだよね。パスタのソースを作る時に蜂蜜を入れて、もっとおいしくしているんだね。』
と、連絡が有った。

また、フランスへ行った蜜蜂の仲間からは、
『フランスではチーズに蜂蜜をかけて食べるのが多いよ。』
と連絡が有った。

そして、アメリカへ行った僕達の仲間の蜜蜂から、
『牛肉のステーキをもっとおいしくするために蜂蜜を付けて料理をしていたよ。』
と連絡が有った。

また、オーストラリアへ行った蜜蜂の仲間からは、
『蜂蜜と味噌とニンニクを細かくして混ぜたものを、野菜や、ゆでたお肉につけたり、つけて焼いたりして食べるとおいしんだよ。』
と連絡が有りました。

最後に、ブラジルへ行った蜜蜂の仲間からは、
『鶏の肉を小さくして、蜂蜜にお塩やスパイスを混ぜたものに漬け込み、野菜にバナナを加えたものを細かくして炒めるとすごくおいしいんだよ。』
と連絡が有りました。

そして、カナダから帰って来た僕達が空港で待っていると、アメリカやブラジルやイタリアやフランス、それとオーストラリアへ行っていた蜜蜂が全員帰って来ました。

蜜蜂キックロの海外出張(3)

2016-06-21 21:27:57 | 童話
『みんな、おはよう。』
『おはよう。ここから、どこへ行くのかなぁ?』
『空港からあまり遠くない公園へ行くみたいだよ。その公園で、カナダの蜜蜂と仲良くなって、みんなの巣箱に連れて行ってもらうんだって。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。では公園でみんなと友達になればいいんだ。』
『そうだね。』

『カナダの公園は大きいね。お花もいっぱい咲いているね。』
『そうだね、日本の公園の何倍もあるね。』

そこへ、カナダにいる蜜蜂がやってきて
『お話しを聞いていたけれど、日本から来た蜜蜂は君達なの?』
『そうだよ。仲良くしようね。』
『うん、いいよ。』
『ありがとう。』
『では、僕達の巣箱へ行こうか。』

そして、日本から来た僕達は、カナダの蜜蜂の巣箱にやって来ました。
『うわっ、巣箱がいっぱい並んでいるね。日本の何倍も何倍もあるね。』
『カナダは、どこへ行っても、これくらい広い所で、これくらいの巣箱があるんだよ。』
『ふぅ~ん、すごいね。』

『僕達はね、カナダで食べられている、おいしい料理を探しに来たんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』
『明日からいろいろな家へ行って料理を見せてもらうんだ。』

その日は飛行機に乗って疲れたので、明日から探しに行くことにしました。

『カナダのみんな、おはよう。』
『日本からのみんな、おはよう。』

『では、僕達はおいしい料理を探しに行ってくるからね。』
『うん、行ってらっしゃい。』

そして、僕達は巣箱から飛んで行った。
『ふぅ~ん、カナダではカリブーという動物のステーキに人気があるみたいだけれど、お肉を焼く時に蜂蜜を使うんだね。そうするとお肉が柔らかくなり、冷えても硬くならないのか。』