言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

跡なきがごと

2017年09月06日 | 万葉集
第 0351
◆ ◆ 沙弥満誓の歌一首
世間を 何に譬へむ 朝開き 漕ぎ去にし船の 跡なきがごと
沙弥満誓 ◆ ◆
     
万葉集 第三巻 より

::: 読み :::

よのなかを なににたとへむ あさびらき こぎいにしふねの あとなきごとし

::: 意訳 :::

世の中を何にたとえようか。 それは、夜明けに港を漕いで出て行った船の航跡が何も残っていないようなものだ。 人の一生もそのようなものだろうか。