http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-2c79.htmlより転載
2016年1月13日 (水)
悪魔の安倍政治本性が牙をむくのはこれからだ
日本政治が危機の急坂を下り始めた。
安倍政権の支持基盤は決して強固でない。
しかし、安倍政権は国会の多数議席を確保している。
この、国会における数の力を振りかざして、日本を一気に転覆しようとしている。
昨年9月19日に戦争法が強行制定された。
日本国憲法があり、自衛権について論議が重ねられて、
「日本は主権国家として個別的および集団的自衛権を有する。
しかし、自衛権の行使には、憲法9条の制約から厳しい条件が付与される。
個別的自衛権のみ、厳しい制約条件の下で行使が認められるが、
集団的自衛権については、行使は許されない」
との政府見解が示された。
1972年10月のことだ。
この憲法解釈を40年以上堅持してきた以上、この憲法解釈が、憲法そのものであると言って過言ではないのである。
安倍政権は、その憲法解釈に明確に反する立法を強行した。
憲法破壊行為である。
近代民主主義国会においては、国民主権、基本的人権などの根幹事項を憲法で定め、政治権力といえども、憲法には従わなければならないという考え方を確立してきた。
これが「立憲主義」と呼ばれる考え方である。
安倍政権の行動は、まさに、この立憲主義を破壊するものである。
日本の民主主義が危機に直面している。
日本の立憲主義が危機に直面している。
多くの主権者が、安倍政権の暴走に激しい憤りを感じているのだ。
しかし、国会の多数議席を占有する安倍政権は、こうした正当な批判を無視して、暴走を加速させる気配を強めている。
そして、権力が暴走を強めれば強めるほど、この権力に迎合するヒラメ軍団もまた増殖するのである。
ヒラメが増殖し、今年夏の参院選で、安倍政権与党勢力が、参議院3分の2議席を占有すると何が起こるのか。
日本は崩壊するのである。
安倍政権は憲法改定に突き進む。
その際、最初に手をつけるのが、緊急事態条項の追加である。
自民党憲法改定草案の98条と99条が追加される。
憲法を改定して、緊急事態条項を加える話が急激に広がり始めている。
そして、現状を踏まえる限り、憲法改定勢力が参院3分の2を占有して、緊急事態条項を制定する危険が著しく高まっている。
「日本の終わり」
と言っても言い過ぎではないだろう。
2014年12月の総選挙で、安倍政権与党に投票した主権者は、主権者全体の24.7%にしか過ぎない(比例代表)。
安倍自民党に投票した主権者は、わずかに17.4%だ。6人に1人しかいないのだ。
それなのに、安倍晋三氏が提唱する憲法破壊が激しい勢いで動き始めているのだ。
与党でなく野党でもない政党が「ゆ党」などと呼ばれているが、国会議席で安倍政権与党が多数を占有しているために、ヒラメ政治家が急増しているのだ。
昨年9月の戦争法採決に際しては、自公の与党だけでなく、
次世代、元気、改革
の3党が賛成に回った。
その後、政党名が変遷し、一部政党は政党要件を欠く事態に追い込まれているが、現在の勢力名で言うと、
おおさか、元気、こころ、改革
の4勢力が戦争法賛成勢力になっている。
夏の参院選で改選されない121人の議員のうち、
自公が86名
おおさか、こころ、元気、改革、の「ゆ党」が13名
いる。
それ以外は、合計で32名しかいない。
自公とおおさか、こころ、元気、改革が、夏の参院選で、合計76議席獲得すると、戦争法賛成勢力が参議院議席の3分の2超を占有することになる。
緊急事態条項を憲法に追加することになるだろう。
この緊急事態条項というのが、すべてを破壊する水爆級の代物なのだ。
岩上安身氏がこの点を訴え続けてきたが、本当の危機が目前に迫っているのである。
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