亀はまたしても旅に出た
愛車は快調に秋を探しにトコトコと走るのだった
旅の途中で予期せぬ出来ごとが起きた
予期していた「きゃ~亀ちゃん 素敵~ かっこいい~」 という沿道の声から逃れるために景色がよく見れる展望台に必死こいて登ったのだが
そのあと途中で道に迷ってしまった
足はガクガクするは呼吸は荒くなるはで だんだん日は傾いてくるはで
今回のこの世での旅はこれで終わりかとの思いが一瞬胸をよぎったが
標高300メートルくらいの山であることを思いだし 最後の力をふりしぼり
道なき道をおりたら そこはバイクを置いているところと山の反対側であった
この出来ごとから亀は学んだ 深~い深~い智慧を学んだ
沿道の「きゃ~亀ちゃん 素敵~ かっこいい~」の声は素直にうけて握手とか
サインをしようと思った
深い学びであった
この時期の花といえばもちろん彼岸花とコスモスである
棚田に咲く彼岸花
けなげに風にゆれるコスモス
そして深い秋を告げるススキ改めパンパスグラス
展望台のある仙の岩
展望台からの安心院(あじむ)の景色
日本でのグリーンツーリズム発祥の地である
このあと更なる高みをめざして龍王山のなかで路頭に迷ったのであった
深い教えに開眼したのであった
旅の途中で立ち寄ったなんたらかんたら寺の五重の塔
そこにこんな立て札があった
か、亀は思わず屁をしてしまった
足あとと匂いを残してしまった
ごめんなさい