gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

「マクベス」 舞台内容 二幕一場~二幕二場

2009-11-04 15:39:26 | 「マクベス」

イメージ 1



・二幕一場
 前場から1,2時間後、マクベスの居城の前庭においてバンクォーと、その息子のフリーランスは、まだ起きていて歩き回っていた。


 バンクォーは、魔女の予言を聞いていて以来、心の落ち着きを失っており、独りで思いにふける恐さに、眠くても床に就くまいと、寝所に行くまいとしているようだった。


 マクベスが登場し、魔女の予言がバンクォーにどのように影響しているかを探ろうとする。
それはバンクォーが相棒になってくれるかもしれないと考えてのことだったが、彼はその申し出を断った。
                        '[I] still keep
   My bosom franchised and allegiance clear.'
             (わしは常に
 心にやましいことを感ぜず、臣下の道を外れぬ)


 つまりバンクォーは、謀反に手を貸すつもりはないと暗に言っているのだ。




 マクベスは、バンクォーに親しく「ゆっくり休んでくれと」言って別れ、その後に従者を退けて仕事にかかるが、自身の前兆に不吉さを覚えるのだった。
 'I go, and it is done; the bell invites me.
   Hear it not, Duncan; for it is a knell
   That summons thee to heaven or to hell.'
 (さあ、行くのだ、そうすれば片付く。
 鐘が俺を呼んでいる。ダンカンよ、あれを聞くな。
 あれは貴様を天国か地獄へか招く弔いの鐘だ)


 しかし、マクベスは勇気を振り絞り、大胆に一歩を踏み出そうとする。
そして妻が役割を果たした合図のために鳴らした運命の鐘が鳴り響く。



・二幕二場
 マクベス夫人が手にコップを持って登場する。彼女は、ダンカン国王の家来に睡眠薬を飲ませ、家来たちを眠らせてしまった。


 そして夫が忍び込めるように戸を開けておく。短剣は、眠っている二人の家来の傍ら置いた。後は、眠っているダンカンに斬りつけるだけだ。


 もしもダンカンの寝顔が彼女の父親に似ていなかったら、そのまま彼女が斬りつけていたであろう。
 何でもないように思われることだが、このことが後々に彼女の精神に影響を及ぼすのだ。




 やがてマクベスが、手を犯行の血に染めてダンカンの部屋から出て、妻に会う。
マクベスは、世の迷信と未知の世界の恐怖にとり憑かれており、すっかり勇気を挫かれていた。


 狼狽するマクベスは、計画の細部を忘れ、家来の傍らに残しておく筈だった血だらけの短剣をもって来てしまったのだった。


 それを元に戻す必要に迫られるが、
        'I'll go no more;
   I am afraid to think what I have done,
   Look on't again I dare not.'
        (もう行くのは嫌だ。
 自分のしでかしたことを思うとぞっとする、
 それをもう一度見るなどと、とても出来ない)


 それに反して、夫人は少しも怯まず、迷信にも悩まされない。ダンカンが殺されてしまえば、彼の死体を見ることに恐怖を感じず、「絵のような」ものだと。
              'the sleeping and the dead
   Are but as pictures: 'tis the eye of childhood
   That fears a painted devil.'
        (眠っている者と死人は
 絵のようなものです。子供でもなければ、絵に描いた
 悪魔を恐がるものですか)


 マクベスの臆病を嘲笑って、彼の手から短剣を引ったくり、ダンカンの傷口から取った血を塗り、家来の傍らに置く。


 その間、マクベスは迷信的な恐怖のために、手から血に痕を洗い落とすことが困難であると想像して怯えるのだった。
 この辺りが、マクベスと夫人が、余りにもマクベスの怯えようと夫人の勇ましさが対称的に描かれているが、話が進むに従って、逆になるのだ。




 マクベス夫人は戻ってくると、夫をリードし、眠っていたように装うために寝間着を着るように忠告する。
 ただ、普通なら、この殺人は不細工であって巧く行く筈がない。
家来たちが泥酔していたことは、彼らにとって有利に働くだろうし、誰かが睡眠薬を飲ませたかは明白だ。
 さらにマクベスが眠らずにいたことを、バンクォー父子と召使が目撃しているのだが、ここは劇であるので、幸運にも誰もマクベスを疑わなかったのだ。