gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

「都市の守護神・アテーナー」

2009-11-17 19:17:53 | ギリシャ神話

イメージ 1


「知恵の女神であり、永遠の処女神として都市の守護神でもあるのだが、その出生は意外だった」


 オリュムポスの十二神の多分に洩れず、彼女もゼウスのご道楽の賜物で、ゼウスが彼女を産んだのはトリトーン河の畔であったとか…… (間違いではありませんよ。ゼウスが産んだのです。まあ、全知全能であるからして可能なのかも…… )。


 今回のお相手は巨人族の娘メーティス(叡智という意味)。ところが彼女には、とんでもない予言が付き纏っていた。それは、もし彼女が男の子を産めば、その子は父親を殺すであろうというもので、メーティスに手を出したゼウスだが、親殺しをするような子供は欲しくない。(まあ、当然と言えば、当然であるのだけれど)


 だったら初めから止めておけばいいものを、「お前を愛したかっただけで子供はいらないんだ」というわけで…… いるんだよね、こういう男は…… 


 「産むな」、「産みます」と言う問答があったかどうか分からないけれど、何とゼウスは子供を産ませないためにメーティスを頭から丸呑みしてしまったのだ。


 しかし、しばらくすると激しい頭痛に襲われた(腹痛じゃあないよ、頭痛だよ)七転八倒するゼウスの様子を見て助けに来たのが、使者の神ヘルメース。ゼウスの苦しみようにただごとではないと感じた彼は、鍛治の神ヘーパイストスを呼んできた。


 ヘーパイストスは、苦しむ姿のゼウスを見ると、商売道具の槌を大上段に振りかざし、ゼウスの脳天に目掛けて一打のもとに叩き割っちゃんだよ。


 当然、頭痛はぴたりと止まった。(そりゃあ、止まるよ。というより普通、死んじゃうよ)そして割れた頭から産まれ出たのがアテーナー…… 身に甲冑を纏った、背の高い灰色の目をした乙女だった。(あー、余りリアルに想像しないように)


 父親の頭(叡智)から産まれた彼女は知恵の女神であり、永遠の処女神として都市の守護神だった。中心的なポリス(都市)の名前がアテーナーであるのは、彼女にちなんで付けられている。



Les Cultes Des Goules

2009-11-17 11:57:29 | 禁断の書物

イメージ 1


イメージ 2


「中世末期のフランスに存在していた邪宗門の総合目録。食人の禁忌を冒し、不老不死の実現を望む人外の教義のカリキュラム」


・フランスの貴族、ポール・アンリ・ダレット伯爵(フランソワ=オノール・バルフォアという説もある)が16世紀に著した「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」は、フランス国内において降霊術や人肉嗜食、屍体性愛に耽っていた淫祠邪教を目録化し、これらの教団の教義や行動について詳述した本である。


・当時、一般的な刊行物であった四つ折り判の装丁で、1702年もしくは1703年に出版されたらしい。


・人肉食の実践による不老長寿の秘法について触れている衝撃的な内容から、直ちにカトリック教会による発禁処分を受けたが、その後も密かに出回っていたようである。


・フランス文学の研究者の中には、「サド伯爵」の通り名で知られるドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドの著作中に、明らかに「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」の影響が見られると指摘する者もいる。


・「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」が刊行されてより数年後、イギリスのバッキンガムシャー州で生れ、後にこの本の所有者になったと思われるイギリス貴族のフランシス・ダッシュウッド卿は、18世紀の中頃にセックスと黒魔術を中心教義とする「地獄の火クラブ」という秘密結社を設立し、大蔵大臣の地位に就いたとされる1762年に暴露されるまで、10年以上に渡り狂乱の宴を続けていた。


・著者であるダレット伯爵自身について余り多くのことが知られていないが、ダレット伯爵家は、その後ドイツのバイエルンに移住して家名を「ダレース」に改め、更に新大陸アメリカに渡り、1919年に亡くなったミヒャエル・ダレースの代まで爵位を保持していた。


・1939年にアメリカのウィスコンシン州にて怪奇小説専門の出版社アーカムハウスを設立した郷土文学者オーガスト・ウィリアム・ダレースはミヒャエルの孫にあたる。


・「Les Cultes Des Goules(屍食教典儀)」原本の現存数は14部だと言われ、少なくとも4部がミスカトニック大学附属図書館に蔵されている。