・二幕三場
国王殺害は自然の形で知られることになる。
マクダフとレノックスは、朝早くダンカン国王に奉仕するよう命じられていた。彼も、その家来たちも、城外に宿泊していて、決められた時間に眠っている門番を起こし、その時の騒ぎでマクベスが起きて、門のところまで行き、彼らを迎え入れるのだった。
これは、この後にマグタフたちが、ダンカンが殺されているところを発見する時に、自分は何も知らなかったということを印象付けるためなのだ。
ただ、レノックスが昨晩は嵐が吹き荒れ、不気味で不吉な夜だったと、述べたことに対し、「荒れた夜だった」と、自身の心情を吐露するのだが、もちろん周りは気が付かない。
ただ、レノックスが昨晩は嵐が吹き荒れ、不気味で不吉な夜だったと、述べたことに対し、「荒れた夜だった」と、自身の心情を吐露するのだが、もちろん周りは気が付かない。
そしてマクダフは、ダンカンの部屋に入り、直ちに怖れ驚き二人の元へ駆けつけて、惨劇を報告する。
それを聞いたマクベスは、レノックスと共にダンカンの部屋へ急行し逆上を装って、罪を着せられた二人のお附きの者を殺してしまう。
マグタフがマクベスの行動を見て、疑惑を感じなかったどうかは、よく分からない。
なぜなら、マクベス夫人が、殺人などということに最も縁遠い人のように振る舞い、殺人が発見されると、策略的に失神して、周りの人の注目を惹きつけていたからである。
それを聞いたマクベスは、レノックスと共にダンカンの部屋へ急行し逆上を装って、罪を着せられた二人のお附きの者を殺してしまう。
いわゆる口封じなのだが、ごく自然の形で行なっていることが鮮といのだ。しかも、そのことをマクベスひとりではなく、レノックスも目撃させているところが狡賢いのだ。
'Those of his chamber, as it seemed, had done it: Their hands and faces were all badged with biood, So were their daggars, which, unwiped, we found Upon their pillows: they stared, and were distracted; No man's life was to be trusted with them.' (国王の部屋のお附き者たちがやったようだ。 彼らの手も顔もべっとりと血の跡、用いた短剣もそのままだった。 短剣は枕元に転がっておりました。両人とも、 まったく乱心のてい、目を大きく見開いて、おろおろするばかり、 到底、人の命を預けるに足る者とは思いませぬ)
マグタフがマクベスの行動を見て、疑惑を感じなかったどうかは、よく分からない。
なぜなら、マクベス夫人が、殺人などということに最も縁遠い人のように振る舞い、殺人が発見されると、策略的に失神して、周りの人の注目を惹きつけていたからである。
さらにダンカン国王の二人の息子たちは、ことの次第にびっくり仰天し、バンクォーの「この問題を論ずる前に先ず着物を着よう」と散文的な台詞を機に、それを利用して逃げでしたことでマクベスに有利に働いた。
・二幕四場
城の前、この場で直ぐに十分な調査が行なわれたらば、マクベスは嫌疑をかわすことは不可能だったが、国王の二人の息子が逃亡したので、嫌疑の矛先は彼らにかけられた。
そして、これ以上の捜査は必要ないと打ちきられてしまう。さらに順調にマクベスは王位に就き、ダンカンの遺骸は急いで葬られるのだった。
これでマクベスの運命の絶頂が達せられる。彼に関する限り、魔女の予言は実現した。ダンカンは彼の手中に入って殺され、人々の注目は、真の殺人者たる彼から脇へ逸らされたのだ。
また、ダンカンが後嗣として指名した王子は国外に逃亡。貴族の中には一致した意見はなく、ロスはマクベスの戴冠式に出席し、マグタフは別荘へ退いた。彼らは、仮令疑惑を持っていたにしても、それを口することはなく、マクベスは幸運だったのだ。
そしてこの幸運が何時まで続くのか、ということがこの劇おける観客の注目となる。
これで二幕は閉じる。