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「海洋を司る神・ポセイドーン」

2009-11-06 11:56:47 | ギリシャ神話

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 「海を支配するゼウスの兄、弟と同様すごい性格をしている」


 クロノスとレアーの息子で、ゼウスのすぐ上の兄の海神だ。でも、支配欲が強くてしばしば海以外の領域も欲しがって兄弟たちと喧嘩(人間世界では戦争)した。


 クロノスとの戦いの時に百眼巨人キュクロープスから与えられた三叉の鉾を手に持って、イルカに引かせた戦車で海上を駆け巡っては嵐を巻き起こす。その猛々しい姿に神々の中でも最の恐れられている。


 でもと言うか、やっぱりと言うべきか、ゼウスの兄だけに情事の方も凄い。妻のアムピトリーテーの嫉妬を贈り物で宥めながら、様々な女神や人間、妖精とのアバンチュールを楽しんだのだ。


 中でも凄かったのが姉のデーメーテールとのエピソードで、デーメーテールはポセイドーンが自分に思いを寄せていることをしていたが、ここは良識的にいつも彼を避けていた。


 ポセイドーンはそんな彼女の気を引こうと、得意の生物を創造する力で世にも美しい動物を造り出そうとするのだが、その過程で色々な動物か出来上がるのだ。ラクダ、キリン、ラバなどなど、彼のおかげで動物園に豊富な種類の生き物が揃えることが可能になったとも言える。


 そして、最終的にデーメーテールが気に入った動物が馬だった。ただ、馬と言うともう一つエピソードがある。


 ポセイドーンは、ある日地上を彷徨うデーメーテールの姿を見つけた。この時の彼女はハーデースにさらわれた娘のペルセポネを探していたんだけど、ポセイドーンはそんな彼女の姿に思わずムラムラと…… まぁその、よろめいてしまったらしく、デーメーテールをしつこく追い掛け回したんだ(ストーカーだよね)。


 デーメーテールは追い掛けて来るポセイドーンから逃げるため、ちょうど放牧されていたオンオキス王の飼馬の群れの中に、牝馬に姿を変えて隠れるんだ。(枯れ葉を隠すには森の中ってことだよね)ところが、ポセイドーンはあのゼウスの兄ちゃんなのだ、たちまちデーメーテールの変身に気がつき、自らも馬に姿を変えて彼女に迫って思いを遂げちゃうんだよ。そして生れたのが、名馬アリーオーンだったんだ。


 やっぱり馬に変身していたんで子供も馬になっちゃうんだろうか? しかし、アポローンはゼウスが鶉(うずら)に変身して造った子供だけど、鶉じゃなかったけど…… う~ん、ともかく海神であるにもかかわらずポセイドーンのシンボルが馬なのはこう言った訳があるんだよ。



The Golden Bough

2009-11-06 07:57:52 | 禁断の書物

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「原始的な呪術が宗教となり、やがて科学に取って代わられる過程にメスを入れたアニミズム、トーテミズム研究の古典的名著」


・「The Golden Bough(金枝篇)」の著者ジェームズ・ジョージ・フレイザーは、1854年スコットランドのグラスゴーで生まれ、地元のグラスゴー大学を卒業後、後に英国の魔術師アレイスター・クロウリーも一時期学んだケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジにて社会人類学を専攻した。


・「The Golden Bough(金枝篇)」上下巻を上梓したのは1890年、ケンブリッジ大学の特別研究員だった頃のことだった。


・「金枝」の名称は、ヤドリギにまつわる王殺しの伝承が遺るイタリアのネミ湖畔を描いたジョセフ・M・ターナーの風景画の題名に由来する。


・クトゥルフ神話にまつわる神々や教団について直接言及しているわけではないが、ヨーロッパの神話や地域信仰の世界に深く踏み込んでいるため、併読書として研究者の書架に並ぶことが多い。


・この著作で高い評価を受けたフレイザーは、1907年にリバプール大学の社会人類学教授に就任。1914年にはナイト爵に叙任された。


・1921年に母校ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの教授に就任したことは、彼にとってナイト爵の称号を得た以上に大きな名誉となった。


・1925年にはメリット勲位を受勲、英国学士院特別研究員、エジンバラ王室学会名誉評議員、王室ポロシア科学学会名誉会員など華々しいポストを歴任し、学者として頂点を極めるが、第二次欧州大戦の1941年5月7日、ドイツ軍の空襲により夫人とともに亡くなっている。


・「The Golden Bough(金枝篇)」自体は版数を重ねる毎に内容が増補され、1911年から15年にかけて刊行された全12巻の完全版をもって完結された。


・1920年代以降、フィールドワークの研究が主流となった現代の人類学の現場において、フレイザーは「安楽椅子の人類学者」と蔑称され、顧みられることが少なくなっている。