数週間という時間が経過した。フォレスの宮殿謁見の間、バンクォーが登場する。
マクベスにとって魔女たちの予言が全て実現したということは、バンクォーにも当てはまる。
マクベスにとって魔女たちの予言が全て実現したということは、バンクォーにも当てはまる。
ここまではマクベスが予言を実現していったプロセスを見てきた。
ここからは、その予言に逆らっていこうとするマクベスの姿を見ていくのだ。
ここからは、その予言に逆らっていこうとするマクベスの姿を見ていくのだ。
当然マクベスは気にならない筈もなく、特に「マクベス様より小さいが、それでいてずっと大きい。それほど幸運ではないが、遥かに幸運だ。あなたは国王にはなれないが、子孫が国王になる」により、バンクォーの息子フリーランスの動静を知りたがる。
バンクォーが出掛けるため、その場から退出すると、今得た情報を早速活用する。
彼は従者に命じ、彼の命令を極秘裏に遂行する者たちを呼び寄せる。つまりバンクォー親子の殺害である。
二人の刺客が登場する。何れもマクベスの腹心で、策はすでに授けてあった。
そしてバンクォーと共に息子のフリーランスも確実に殺害するように念を押す。
'Ride you this afternoon ?' 'Is't far you ridee ?' 'Goes Fleance with you ?' (昼から何処かへ出掛けるのか?) (遠方へお出掛けか?) (フリーランスも連れて行くのか?)
バンクォーが出掛けるため、その場から退出すると、今得た情報を早速活用する。
彼は従者に命じ、彼の命令を極秘裏に遂行する者たちを呼び寄せる。つまりバンクォー親子の殺害である。
'To be thus, is nothing; But to be safely thus:――Our fears in Banquo Stick deep; and in his royalty of nature Reigns that which would be feared: 'tis much he dares; And, to that dauntless temper of his mind, He hath wisdom that doth guide his valour To act in safely. There is none but he Whose being I do fear…… ………… They hailed him father to a line of kings: Upon my head they placed a fruitless crown, And put a barren sceptre in my gripe, Thence to be wrenched with an unlineal hand, No son of mine succeeding.' (ただこうしているだけでは、 何もならぬ、何ら不安なしにいられるのでなければ。 ――怖ろしいのはバンクォーだ、 生まれながらの気品というやつ、俺はそれが恐い。 あの男には、どんなことでもやり遂げる不屈の魂、 それに加えて、己の勇気を巧みに御する分別を兼ね備えている。 奴ほど俺にとって恐い存在はいない…… …… 魔女たちは、奴に子孫が代々王になると 祝いの言葉を浴びせかけた、 この俺は、頭上に実らぬ王冠を載せ、 手には不毛の笏を握らせた、 つまりは赤の他人にもぎ取られ、 一代限りで終わらせようとする魂胆か)
バンクォーに対するマクベスの敵意は、現在における恐怖と未来に対する羨望から来ているのだ。
'For Banquo's issue have I filed my mind; For them the gracious Duncan have I murdered―― …… Only for them.' (バンクォーの子孫のために、俺はこの手を汚し、 奴らのために、慈悲深いダンカン国王を殺したということ―― …… ただ奴らのために)
もしマクベスが、冷静で論理的な判断が出来ていれば、違った対処もあった筈であるのだが、ここは魔女の予言に反して運命に逆らうのだ。
'Rather than so, come, fate, into the list, And champion me to the utterance.' (その手は食わぬぞ、運命め、さあ、姿を現せ、俺と勝負しろ、 最後の決着をつけてやる)
二人の刺客が登場する。何れもマクベスの腹心で、策はすでに授けてあった。
そしてバンクォーと共に息子のフリーランスも確実に殺害するように念を押す。
刺客はこの場を去り、
'It is concluded: ――Banquo's flight, If it find heaven, must find it out to-nibht.' (これで決まった、――バンクォー、 もし貴様の魂が天国行きをお望みならば、 今夜のうちに道を探し出さねば間に合わぬぞ)