錯乱坊の彷徨える日々

フィールドでの出会いに癒しを求めて…

サツマニシキの生態に関する一所見と、その蛹化場所について

2019年06月02日 | 昆虫・植物
今日は福岡県南部から熊本県境にかけて発生しているサツマニシキの生態にかんする一つの所見と、その蛹化場所が特定できたというお話です。
ただ・・・・
このブログを辿れば蛹化場所の特定以外は、その大半がUP済みのネタですけどね。
まぁ、それはそれとして・・・
総集編的な感じでご覧いただければ幸いです。

【 サツマニシキの生態に関する一所見と、その蛹化場所について 】


9月から10月にかけて発生した2化となるサツマニシキは日没を迎えるころに葉上や枝に静止した1頭の♀に複数の♂が群がるようにして交尾を成立させる。


交尾を終えた♀は、その後、腹端が伸びる産卵管をヤマモガシの幹や枝にできた深いシワや裂け目に挿し込み複数の卵をかためて産卵する。
※比較的に若いヤマモガシの幹や枝には産卵できる深いシワや裂け目がないためにホストとしては利用され難く、主に老化した大きなヤマモガシを好むように発生している。


そして、これらの卵から孵化した幼虫は展開途中のヤマモガシの葉の縁に台座を作るのだが、この時点で葉に糸を吐き台座を作られると葉の展開が阻害され、その後は葉の成長と共に外縁の一部が縮れたようにカールする。
この縮れたようにカールした部分をサツマニシキの幼虫は暖かくなる春まで隠れ家的な巣として利用している。


しかしながら2齢幼虫へと加齢した段階で寒い冬を迎えるサツマニシキの幼虫は越冬に伴う眠態へと入るのではなく、暖かい日中などは弱いながらも活動し硬い葉の表面に薄皮を残すようにして摂取している。
ただ、ここで気温が下がり始めると各々の巣に戻るがものの、中には間に合わず一時的に他の幼虫の巣を間借りするような個体も見られる。

まぁ、ここまでは誰でも知っていることで肝心なのは、これから先のこと・・・・


冬を越えたサツマニシキの幼虫は気温が上昇する共に成長が促進され5月の下旬から6月の上旬ごろになると蛹化を前にして吐いた糸に下がるようにして木を降りる。
もちろん中には蛹化を前に足が弱り、何かしらの外的な要因で落下する個体も見られる。

そして、ここからが新たな追加ネタ。


自身が吐いた糸に下がるようにして木を降りるも着地点が悪く、食樹とは全く違う枝を徘徊していたサツマニシキの幼虫。


こちらは上手くに地上まで降りて蛹化場所を探して徘徊中。


その後、このような比較的に大きな石や木の根元にできた落ち葉の吹き溜まりで営繭に適したカールした落ち葉を探す。


と言うことで、それらしき場所の落ち葉を一枚ずつ手に取りながら確認していくと・・・ みーっけ!
へっ?
これが繭ってか?
なーんて言う人の為に・・・


ほらぁ、この角度から見ると正真正銘の繭でしょ。
で、これまで推測でしかなかったサツマニシキの蛹化場所を突き止めたら、事の流れは大きく変わります。


落ち葉を手にする回数が増えると同時に回収できる繭の数も増えていく。
と、言うことで・・・・
今朝は福岡県南部から熊本県境にかけて発生しているサツマニシキの生態の一所見と、これまで推測だったサツマニシキの蛹化場所を特定できたというお話でした。

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