ここに一台のカメラがある…
そして、このカメラは富士フイルムが作った最初の一眼レフカメラなのです。
時は高度成長期を迎え列島改造景気とも呼ばれた1970年。
そう、あの大阪万博が開催された年に発売された一眼レフカメラ、フジカ(FUJICA) ST701を始めて自分のカメラとして使い始めた。
けど!
今と違ってカラーフィルムや現像代はバカ高いし、印画紙に焼き付けを依頼してても手元に届くのには1週間近くもかかった。
それに比べると白黒フィルム(モノクロ)は処理が早かったし、その数年後にはフィルムの現像から焼き付けまでを全て自分の手でやっていた。
もちろん当時に通っていた学校の中でね。
だから機材は基より現像液やら定着液など全てが学校のモノ…
というか写真部の備品。
そんでもって、それを我が物のように使っていたわけなんだけど担当の教員も見て見らぬふりっていうか知ってても笑ってたもんね。
いや、それどころか冷蔵庫の中に保管されていたフィルムも勝手に使ってた。ごめん!
それを思えば楽しい学生生活だった…
そんなフジカの(FUJICA) ST701が今も手元にある。
これまで多くのカメラを御釈迦にしてきた爺さんでしたがオヤジから買ってもらった、このカメラだけは手放すことができない。
それにしても54年という時が過ぎカメラは当時の姿を留めても、年を重ねるごとに我が身は老い人となってしまった。