2代目4ランナーを活用している。4ランナーにはランドクルーザーとは全く異なる持ち味と存在感がある。ランクルと比べてどちらが良いとか悪いの比較はそれ自体が無意味である。4ランナーに乗っていると年齢が若くなるような感覚があるのは、自身が歳をとったせいなのであろうか?それとも、乗る時に感じる、若者になった感、こそが4ランナーの持つ魅力なのであろうか? 2代目4ランナーは外見がぼろく見える事も手伝ってか、運転する度に貧乏学生になった様な気分になる。それは、対面を気にしない事で得られる自由を感じる存在で、気が楽である。
2代目4ランナーの立ち位置は見た目は古いが旧車ではなく、古くなった最近の車であると位置付けたいと思う。1995年に製造されてから26年の歳月が経っているので旧車と呼んでもいいのではないかと思うが、パワーウィンドウ等の電装品が装備されている事が旧車と呼ぶ事に異議を唱える心理的要因となる。この4ランナーの存在を現在のクルマと重ねて考えると、現在巷を走っている多数のクルマが古くなったとしても、未来においては旧車と呼ばれるカテゴリーに入れないのではないかと感じている。
クルマの美しさとは発売当初のショーウインドゥに並んでいる美しさもあるが、使い込む事による劣化や消耗をヒストリーとして美しさに変える技も存在する。それはロサンゼルスにあるTLCのジョナサンワードが日本語のワビ、サビという負であり静なる感覚を旧車の持つ美しさとして、サビやヤレ具合を隠すのではなくて積極的に表に出して表現するという思考で取り組んだ結果、功を成す評価を受けた。古い四駆の維持にはこういった思考を混ぜるのがいいのであろう。古い4ランナーは見た目はボロいがそれをポジティブに受け入れる事によって、古い4ランナーの隠れている魅力を引き出だす可能性の示唆を感じている。