晴れた休日の早朝ドライブは自分の中でロクマルの楽しみ方の一つを確定した習慣となっている。早朝のドライブを楽しむという行為は、誰も見ていない、人との接触もほとんど無い。旧車とかスポーツカーを所有している立場からするとそれに乗っている自分を見て欲しい、そしてかっこいいと言ってもらいたい。そんな魅せたい気持ちがあるものだ。しかし、休日の早朝ドライブとはその気持ちと欲に封印する。休日の早朝ドライブとは孤独な世界を愉しみ嗜む男の美学の追及行為なのだ。その時間は、自身とロクマルとの関係を繋ぐ物語となる。日常の中の非日常であり、クルマの持つ実用機能に距離を置いた愉しみ方であると思っている。別の観点から観るとコソコソしやがって、昼間に堂々と運転しろ!と思われるかも知れない。早朝はある程度スピードが出せる。ロクマルの窓を開けると春の冷気が忙しく進入してくる。音楽は聴かない、ラジオはオフ状態。2Fエンジンの音、トランスミッションとデフ、タイヤが拾い上げるノイズが風切り音と混ざり、そこに燃焼したガソリンの匂いが加わる。これら全てが心地良さの正体である。
健康生活の為に太陽の光を浴びる事が良いと聞く。特に早朝の新鮮な太陽光は体に良いと言っていた。結果、早朝のランクルサンライズドライブは心と体に良い行いなのである。