* 補修作業で野口さんサポートにまわる *
スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗している<左利き>の野口聡一さんについては、既に多くの方が書いていらっしゃるので、パスするつもりでしたが、昨日の夕刊(わが家は産経新聞)の記事を見ると一言書かずにはいられません。
スペースシャトル計画史上初の宇宙空間における船外活動によるシャトルの損傷補修作業を実施することになったのですが、この作業を野口さんらが担当することになったというわけです。ところが、なんと見出しにこうあります。
どうやらこの作業は無事に終了したようで(実際には手で簡単に抜き取れたようで、工具は必要なかった様子)、まずはホッと一安心というところでしょうか。
それにしても、前回の「コロンビア」の事故で、あらかじめこういう補修作業を想定していたであろうはずなのに、工具のひとつが作業に当たる人(少なくともそのうちの一人)に不向きな右利き用のものであった、というのはお粗末すぎる感じがします。利き手に関して調査していなかったのでしょうか。
野口さんにしても、道具が不適当なために自分の能力を発揮できないというのは、期待に応えられず情けない思いと、道具さえあればという切なく哀しい思いとが胸に去来していたのではないでしょうか。
左利きについて色々考えている私にとっても、これは非常に悲しいことです。
(もちろん理由のひとつにすぎないわけで、他にも考慮しなければならない事由があったのでしょう。単に私の思い過ごしで、ご本人はそれほど切実に感じてはおられないかも知れません。)
* 宇宙開発の技術も、所詮は日常の積み重ね ~ 普段から左利き対応、UD対応を! *
宇宙開発などというと、いかにも科学の最先端と思われがちです。
しかし、その実態は既存の科学技術の寄せ集めというか、成果の上にあるわけです。個々の機械・道具というものもわれわれが日常使用するものが基本になっているのでしょう。
まったくの新開発の物ばかりではないわけです。
即ち、日常のわれわれの生活の延長線上にあるわけで、私たちの生活にないものはそこにもまずないと考えた方がいいわけでしょう。
左利き用のない工具に関しては、宇宙開発用のものもやはりないのです。
だからこそ、私たちは日頃から左手用の左利き用の道具や機械などの必要性を訴えていかなければならないと思うのです。
いや、少なくともユニバーサル・デザインの道具を普及させて誰でも使える道具や機械というものを社会の基本にしてゆかねばならないと思うのです。
そして特殊なものに関しては、利き手に応じて使用可能なものを作ってゆくべきでしょう。
* だから左利きはダメだ、なんて思わないで! *
余談ですが、今回の右利き用の工具が使いづらいうんぬんに、これだから左利きはダメだ、と考える人が出てこないことを願っています。
ある特殊な製造業の会社の社長さんは、社員の入社試験の面接でいっしょに食事を取りその「利き手」を確認して、「右利きの人だけ」を採用するそうです。特殊な作業用の機械や工具に左利き用がないから、というのがその理由だそうです。
一見筋が通っているようですが、ちょっと変な気もします。くわしくは書きませんが…。
* 野口さんは「レフティサーブ」渡瀬さんの高校の後輩 *
もうひとつ―今週の『レフティサーブ』「[96号]宇宙飛行士」によりますと、発行者渡瀬さんにとって野口さんは高校の後輩にあたるそうです。ウーン、意外なところに意外なつながりが…。
とにもかくにも、あとは、ただ無事の帰還を祈るばかりです。
※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗している<左利き>の野口聡一さんについては、既に多くの方が書いていらっしゃるので、パスするつもりでしたが、昨日の夕刊(わが家は産経新聞)の記事を見ると一言書かずにはいられません。
スペースシャトル計画史上初の宇宙空間における船外活動によるシャトルの損傷補修作業を実施することになったのですが、この作業を野口さんらが担当することになったというわけです。ところが、なんと見出しにこうあります。
シャトルきょう補修作業/左利き野口さんサポート担当/右利き用工具「使いづらい」記事内容は、
船外活動のチーフは野口さんだが、今回の人選では、作業に使う工具が右利き用で、左利きの野口さんには使いづらいのが理由のひとつになったという。というわけで、実際の作業はスティーブン・ロビンソン飛行士(49)が担当し、野口聡一さん(40)サポートにまわるとあります。
どうやらこの作業は無事に終了したようで(実際には手で簡単に抜き取れたようで、工具は必要なかった様子)、まずはホッと一安心というところでしょうか。
それにしても、前回の「コロンビア」の事故で、あらかじめこういう補修作業を想定していたであろうはずなのに、工具のひとつが作業に当たる人(少なくともそのうちの一人)に不向きな右利き用のものであった、というのはお粗末すぎる感じがします。利き手に関して調査していなかったのでしょうか。
だって、チーフが左利きなのに、右利きの工具しか用意してないなんて・・・。NASAも全く想定していなかったんでしょうね。これは職務怠慢なんでしょうか?―なんて意見もあります。 (参照):備えあれば憂いなし(汗
野口さんにしても、道具が不適当なために自分の能力を発揮できないというのは、期待に応えられず情けない思いと、道具さえあればという切なく哀しい思いとが胸に去来していたのではないでしょうか。
左利きについて色々考えている私にとっても、これは非常に悲しいことです。
(もちろん理由のひとつにすぎないわけで、他にも考慮しなければならない事由があったのでしょう。単に私の思い過ごしで、ご本人はそれほど切実に感じてはおられないかも知れません。)
* 宇宙開発の技術も、所詮は日常の積み重ね ~ 普段から左利き対応、UD対応を! *
宇宙開発などというと、いかにも科学の最先端と思われがちです。
しかし、その実態は既存の科学技術の寄せ集めというか、成果の上にあるわけです。個々の機械・道具というものもわれわれが日常使用するものが基本になっているのでしょう。
まったくの新開発の物ばかりではないわけです。
即ち、日常のわれわれの生活の延長線上にあるわけで、私たちの生活にないものはそこにもまずないと考えた方がいいわけでしょう。
左利き用のない工具に関しては、宇宙開発用のものもやはりないのです。
だからこそ、私たちは日頃から左手用の左利き用の道具や機械などの必要性を訴えていかなければならないと思うのです。
いや、少なくともユニバーサル・デザインの道具を普及させて誰でも使える道具や機械というものを社会の基本にしてゆかねばならないと思うのです。
そして特殊なものに関しては、利き手に応じて使用可能なものを作ってゆくべきでしょう。
* だから左利きはダメだ、なんて思わないで! *
余談ですが、今回の右利き用の工具が使いづらいうんぬんに、これだから左利きはダメだ、と考える人が出てこないことを願っています。
ある特殊な製造業の会社の社長さんは、社員の入社試験の面接でいっしょに食事を取りその「利き手」を確認して、「右利きの人だけ」を採用するそうです。特殊な作業用の機械や工具に左利き用がないから、というのがその理由だそうです。
一見筋が通っているようですが、ちょっと変な気もします。くわしくは書きませんが…。
* 野口さんは「レフティサーブ」渡瀬さんの高校の後輩 *
もうひとつ―今週の『レフティサーブ』「[96号]宇宙飛行士」によりますと、発行者渡瀬さんにとって野口さんは高校の後輩にあたるそうです。ウーン、意外なところに意外なつながりが…。
計器類や道具なども、おそらく左手では扱いにくいものも多いだろう。―さて、どうだったんでしょうか。
それでもメンバーに選ばれた野口さんの能力と、それを認めたNASAの判断に敬意を表したい。
とにもかくにも、あとは、ただ無事の帰還を祈るばかりです。
