―第293号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の9回目。
今回からは、漢代の英傑たちの作品を取り上げていきます。
まずは項羽と劉邦のそれぞれの作品から。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 楚調の歌 ◆
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)
漢代の英傑たち
~ 項羽「垓下の歌」、高祖劉邦「大風の歌」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の参考文献――
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より
(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)と司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫))
(画像:司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫)より項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」のくだり)
●楚調の歌
(略)
●項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」
(略)
「垓下の歌」
力抜山兮気蓋世
力(ちから) 山(やま)を抜(ぬ)き 気(き) 世(よ)を蓋(おほ)う
時不利兮騅不逝
時(とき) 利(り)あらず 騅(すい)(項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何
騅(すい)の逝(ゆ)かざる 奈何(いかん)す可(べ)き
虞兮虞兮奈若何
虞(ぐ)や虞(ぐ)や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん
「私の力は山を引き抜くほど強く、
心意気は山を蓋い尽くすほど盛んであった。
しかし時の流れは私に味方せず、
長らく乗ってきた名馬の騅ももう進めなくなった。
騅の進めなくなったのをどうしたらいいか。
そしていつも私について来てくれた虞美人よ、虞美人よ、
君をどうしようか、もはやどうしようもないなあ」
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.92-93)
●虞美人の返歌
(略)
漢兵已略地 漢兵(かんぺい)、已(すで)に地(ち)を略(りゃく)し
四方楚歌声 四方(しほう) 楚歌(そか)の声(こえ)
大王意気尽 大王(だいおう)(項羽のこと)意気(いき)尽(つ)く
賤妾何聊生 賤妾(せんしょう)(わたくし)
何(なん)ぞ生(せい)に聊(やす)んぜん
(略)「劉邦の漢軍はすでに私たちの故郷である楚を略奪し、
今や四方から楚の民謡まで聞こえます」。
八方ふさがりというわけです。
「項羽さま、さすがのあなたも闘志を失われたのですね。
かくなる上は、この私だけが
どうしておめおめと生き長らえることがありましょうか」。
歌い終わった虞美人は、手にした剣で自らの首を斬って自決します。
やがて彼女が倒れた場所に小さな芽が出て草がのび、
ひなげしの花が咲きました。人々は虞美人を憐れんで、
ひなげしのことを「虞美人草」と呼ぶようになった――
と、ちょっと悲しい話が残っています。
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より p.95)
●司馬遼太郎『項羽と劉邦(下)』より
(略)
《(あれは、楚歌ではないか)/項羽は、跳ね起きた。
武装をして城楼にのぼってみると、地に満ちた篝火が、
そのまま満天の星につらなっている。
歌は、この城内の者がうたっているのではなく、
すべて場外の野から湧きあがっているのである。
楚の国は言語が中原と異なっているだけでなく、
音律もちがっている。楚の音律は悲しく、
ときにむせぶようであり、ときに怨ずるようで、
それを聴けばたれの耳にも楚歌であることが分かる。/
しかも四面ことごとく楚歌であった。/
――わが兵が、こうもおびただしく漢に味方したか。/
とおもったとき、楚人の大王としての項羽は
自分の命運の尽きたことを知った。
楚人に擁せられてこその楚王であり、
楚人が去れば王としての項羽は、もはやこの地上に存在しない。》
(略)
《 力は山を抜き 気は世を蓋う/時に利非ずして
と歌ったあと、拍っているひざの手をとめ、不意に床をみつめた。
やがて、/
騅逝かず
と、歌った。脳裏に敵の重囲が浮かび、
手も足も出なくなっている自分の姿が、
雷光に射照らされるように映じたのにちがいない。
項羽の目にふたたび涙が噴きだし、
そのままふりかえって背後の虞姫をひきよせ、/
騅逝かざるを奈何すべき/虞や虞や若を奈何せん
と、うたいおさめた。/
力抜山兮気蓋世 時不利兮騅不逝 騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何
兮という間投詞が、ことばが切れるごとに入っている。
兮は詞の気分に軽みをつける間投詞ではなく、
むしろ作り手の項羽が、
兮! と発声するごとに激情が一気に堰きとめられ、
次いでつぎの句の感情にむかって
いっそうに発揚する効果を持っている。項羽のこの場合の兮は、
項羽のこのときの感情のはげしさをあらわしているだけでなく、
最後に虞姫に対し、その名を呼ぶことにいちいち兮を投入したのは、
この詩が要するに、虞姫よ、この項羽の悲運などどうでもよい、
この世にお前をのこすことだけが恨みだ、という
ただそれだけのことをこの詩によって言いたかったにちがいない。》
(略)
●高祖劉邦「大風の歌」
(略)
「歌一首」高祖劉邦
大風起兮雲飛揚
大風(たいふう)起(おこ)って 雲(くも)飛揚(ひよう)す
威加海内兮帰故鄕
威(い) 海内(かいだい)に加(くわ)はって
故郷(こきょう)に帰(かえ)る
安得猛士兮守四方
安(いづ)くにか猛士(もうし)を得(え)て
四方(しほう)を守(まも)らしめん
(略)「大風が吹いて、雲が乱れ飛び、ちりぢりになった」。
ここは自分を大風に、乱世のさまざまな豪傑を雲にたとえて、
“そういう雲を吹き払って天下が統一された”という意味でしょうか。
二句め、「権威は中国全体に浸透して、私は故郷に帰って来た」。
最後は願望で、「この上はどうにかして、
勇敢なもののふたちを味方につけ、中国全体を守らせたいものだ」。
もう天下人ですから、帝王の感傷というか、
大らかな感情に転化しています。(略)
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.96-97)
(略)
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● 漢詩の入門書等を読む
★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22
▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
を対話形式でわかりやすく読み解く。
★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。
● 参考小説を読む
▲★『項羽と劉邦(上・中・下)』司馬遼太郎 新潮文庫 改版 1984/9/27
―中国を統一した秦の始皇帝の死去から始まり、その後起きた陳勝と呉広
の反乱、さらにそれに続く項羽、劉邦の戦いを描く。
《天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語》
▲マークは、本文で取り上げた本
★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
(基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)
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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」をお届けしています。
前回までは『楚辞』をお送りしていましたが、今回からは、つぎの時代――秦から漢への時代です。
やはり流行っていたのは楚調の歌だったそうです。
今回は、その楚調の歌から時代を作った男たち――項羽と劉邦の歌を取り上げました。
かたや四面楚歌のなか愛する女、虞美人との別れの宴での歌と、その返歌。
そして漢の始祖となった高祖劉邦の故郷に錦を飾った時の歌。
人の世というものは、なかなかに難しいもの。
リーダーとなる条件――人望というものも相当に複雑なものですね。
歴史の流れというものを見ていますと、本当にわからないものです。
一人、人間の力だけでは動かない、何かがありますね。
コロナ禍においても同じで、人はどう動けば良いのか、運もありますし、人の努力だけではどうにもならない何かを感じます。
それでも、ジタバタせずじっくりと時を待つ、というのも一つの解決への道かもしれません。
もちろんただ何もせず待つのではありません。
準備ですね、次の時代に向けて今できることを――。
・・・
では、詳細は本誌で!
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦-楽しい読書293号
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★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の9回目。
今回からは、漢代の英傑たちの作品を取り上げていきます。
まずは項羽と劉邦のそれぞれの作品から。
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◆ 楚調の歌 ◆
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)
漢代の英傑たち
~ 項羽「垓下の歌」、高祖劉邦「大風の歌」 ~
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今回の参考文献――
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より
(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)と司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫))
(画像:司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫)より項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」のくだり)
●楚調の歌
(略)
●項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」
(略)
「垓下の歌」
力抜山兮気蓋世
力(ちから) 山(やま)を抜(ぬ)き 気(き) 世(よ)を蓋(おほ)う
時不利兮騅不逝
時(とき) 利(り)あらず 騅(すい)(項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何
騅(すい)の逝(ゆ)かざる 奈何(いかん)す可(べ)き
虞兮虞兮奈若何
虞(ぐ)や虞(ぐ)や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん
「私の力は山を引き抜くほど強く、
心意気は山を蓋い尽くすほど盛んであった。
しかし時の流れは私に味方せず、
長らく乗ってきた名馬の騅ももう進めなくなった。
騅の進めなくなったのをどうしたらいいか。
そしていつも私について来てくれた虞美人よ、虞美人よ、
君をどうしようか、もはやどうしようもないなあ」
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.92-93)
●虞美人の返歌
(略)
漢兵已略地 漢兵(かんぺい)、已(すで)に地(ち)を略(りゃく)し
四方楚歌声 四方(しほう) 楚歌(そか)の声(こえ)
大王意気尽 大王(だいおう)(項羽のこと)意気(いき)尽(つ)く
賤妾何聊生 賤妾(せんしょう)(わたくし)
何(なん)ぞ生(せい)に聊(やす)んぜん
(略)「劉邦の漢軍はすでに私たちの故郷である楚を略奪し、
今や四方から楚の民謡まで聞こえます」。
八方ふさがりというわけです。
「項羽さま、さすがのあなたも闘志を失われたのですね。
かくなる上は、この私だけが
どうしておめおめと生き長らえることがありましょうか」。
歌い終わった虞美人は、手にした剣で自らの首を斬って自決します。
やがて彼女が倒れた場所に小さな芽が出て草がのび、
ひなげしの花が咲きました。人々は虞美人を憐れんで、
ひなげしのことを「虞美人草」と呼ぶようになった――
と、ちょっと悲しい話が残っています。
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より p.95)
●司馬遼太郎『項羽と劉邦(下)』より
(略)
《(あれは、楚歌ではないか)/項羽は、跳ね起きた。
武装をして城楼にのぼってみると、地に満ちた篝火が、
そのまま満天の星につらなっている。
歌は、この城内の者がうたっているのではなく、
すべて場外の野から湧きあがっているのである。
楚の国は言語が中原と異なっているだけでなく、
音律もちがっている。楚の音律は悲しく、
ときにむせぶようであり、ときに怨ずるようで、
それを聴けばたれの耳にも楚歌であることが分かる。/
しかも四面ことごとく楚歌であった。/
――わが兵が、こうもおびただしく漢に味方したか。/
とおもったとき、楚人の大王としての項羽は
自分の命運の尽きたことを知った。
楚人に擁せられてこその楚王であり、
楚人が去れば王としての項羽は、もはやこの地上に存在しない。》
(略)
《 力は山を抜き 気は世を蓋う/時に利非ずして
と歌ったあと、拍っているひざの手をとめ、不意に床をみつめた。
やがて、/
騅逝かず
と、歌った。脳裏に敵の重囲が浮かび、
手も足も出なくなっている自分の姿が、
雷光に射照らされるように映じたのにちがいない。
項羽の目にふたたび涙が噴きだし、
そのままふりかえって背後の虞姫をひきよせ、/
騅逝かざるを奈何すべき/虞や虞や若を奈何せん
と、うたいおさめた。/
力抜山兮気蓋世 時不利兮騅不逝 騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何
兮という間投詞が、ことばが切れるごとに入っている。
兮は詞の気分に軽みをつける間投詞ではなく、
むしろ作り手の項羽が、
兮! と発声するごとに激情が一気に堰きとめられ、
次いでつぎの句の感情にむかって
いっそうに発揚する効果を持っている。項羽のこの場合の兮は、
項羽のこのときの感情のはげしさをあらわしているだけでなく、
最後に虞姫に対し、その名を呼ぶことにいちいち兮を投入したのは、
この詩が要するに、虞姫よ、この項羽の悲運などどうでもよい、
この世にお前をのこすことだけが恨みだ、という
ただそれだけのことをこの詩によって言いたかったにちがいない。》
(略)
●高祖劉邦「大風の歌」
(略)
「歌一首」高祖劉邦
大風起兮雲飛揚
大風(たいふう)起(おこ)って 雲(くも)飛揚(ひよう)す
威加海内兮帰故鄕
威(い) 海内(かいだい)に加(くわ)はって
故郷(こきょう)に帰(かえ)る
安得猛士兮守四方
安(いづ)くにか猛士(もうし)を得(え)て
四方(しほう)を守(まも)らしめん
(略)「大風が吹いて、雲が乱れ飛び、ちりぢりになった」。
ここは自分を大風に、乱世のさまざまな豪傑を雲にたとえて、
“そういう雲を吹き払って天下が統一された”という意味でしょうか。
二句め、「権威は中国全体に浸透して、私は故郷に帰って来た」。
最後は願望で、「この上はどうにかして、
勇敢なもののふたちを味方につけ、中国全体を守らせたいものだ」。
もう天下人ですから、帝王の感傷というか、
大らかな感情に転化しています。(略)
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.96-97)
(略)
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● 漢詩の入門書等を読む
★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22
▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
を対話形式でわかりやすく読み解く。
★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。
● 参考小説を読む
▲★『項羽と劉邦(上・中・下)』司馬遼太郎 新潮文庫 改版 1984/9/27
―中国を統一した秦の始皇帝の死去から始まり、その後起きた陳勝と呉広
の反乱、さらにそれに続く項羽、劉邦の戦いを描く。
《天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語》
▲マークは、本文で取り上げた本
★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
(基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)
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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」をお届けしています。
前回までは『楚辞』をお送りしていましたが、今回からは、つぎの時代――秦から漢への時代です。
やはり流行っていたのは楚調の歌だったそうです。
今回は、その楚調の歌から時代を作った男たち――項羽と劉邦の歌を取り上げました。
かたや四面楚歌のなか愛する女、虞美人との別れの宴での歌と、その返歌。
そして漢の始祖となった高祖劉邦の故郷に錦を飾った時の歌。
人の世というものは、なかなかに難しいもの。
リーダーとなる条件――人望というものも相当に複雑なものですね。
歴史の流れというものを見ていますと、本当にわからないものです。
一人、人間の力だけでは動かない、何かがありますね。
コロナ禍においても同じで、人はどう動けば良いのか、運もありますし、人の努力だけではどうにもならない何かを感じます。
それでも、ジタバタせずじっくりと時を待つ、というのも一つの解決への道かもしれません。
もちろんただ何もせず待つのではありません。
準備ですね、次の時代に向けて今できることを――。
・・・
では、詳細は本誌で!
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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
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中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦-楽しい読書293号
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