(写真:オカロランの楽譜集 Ossian 発行
彼の伝記や曲にまつわるエピソードも載っている)
♪ 最終回の巻 ♪
ものぐさな拙ブログでの初めての続きものがたりも
今日で一区切りをつけましょう・・・
オカロランの晩年・・・
陽気で大酒のみで、さらりと素敵な曲を作ってしまうオカロランは
アイルランドの冠婚葬祭には欠かせない重要人物になってしまうほど。
彼はどこへ行っても人気者でした。
知識階級の人々とも親交があり、
「ガリバー旅行記」の作者スイフトとも友達でした。
若い頃、ブリジット・クルーズとの恋に破れたオカロランも
その後結婚し、1男6女をもうけます。
彼の一人息子は、オカロランのようにハープ弾きになったらしいのですが
あまり詳しいことはわかっていません。
63歳の時に妻をなくし、
その後68歳になったオカロランは自分の死期を予感していました。
そして、彼は若いころからずっと世話になっていた
18歳の失明した彼をハープの修行に出してくれた
農場主であるマクダーモット・ロー家に戻ってきました。
マクダーモット・ロー家にたどりついたオカロランは
間もなく病の床につき、
彼をかわいがってくれた、マクダーモット・ロー夫人の看病を受けます。
自分の死期を悟った彼は
最後の曲 ’Farewell to music’(音楽との別れ)を作曲。
この曲はいつ聴いても、自分で弾いてみても
胸にせまってくるものがあります。
1738年3月25日 ターロック・オカロランは68年の波乱に満ちた生涯を閉じる。
彼のお葬式には参列の人々が絶えることなく訪れたということです。
どうして私はオカロランに惹かれるようになったのか・・・
彼の曲がとっても美しいメロディーということもありますが、
きっと、彼の逆境にもめげない、したたかさ、たくましさ。
普通のやわな人間だったら、18歳という若さで失明した時点で
人生をあきらめ、投げやりになるかもしれないのに・・・
彼は、音楽・ハープという全く新しい武器を身に着け
そして、それまで彼とは無縁だった
アイルランド上流階級、知識階級の中へとたくましく潜入して
自分の音楽の才能、詩の才能を開花させたのです。
そして、彼の死後300年近くたった今
アイルランドからはるかに遠く離れた日本でも親しまれている彼のメロディー。
ブラボー! オカロラン!
♪♪ ご訪問いただき、ささやかな連載をお読みいただいた皆様
ありがとうございました!
「楽しみにしていますよ~」という
うれしい個人メールなどいただき、とっても幸せです。
オカロランの曲でライアーで弾くときれいな曲はたくさんあります。
これからも、大切な宝物を一つずつ集めるように、
レパートリーを増やしていきたいです ♪♪
参考文献: 「Carolan 」 Donal O'Sullivan 著 (写真の本です)
「Fair Melodies」 Art Edelstein 著